WO2006041025A1 - 薬剤カート - Google Patents

Description

明 細 書

薬剤カート

技術分野

[0001] 本発明は、複数の薬剤を起立状態で一列に整列させて収容したカセットを薬剤の 種類毎に多数設けた薬剤カートであって、病院等にて必要な薬剤を最先頭から 1つ ずつ取り出し、あるいは戻せるようにするとともに、取り出した薬剤の個数を計数したり 、在庫を管理することができる薬剤カートに関する。

背景技術

[0002] この種の薬剤カートとして、特許文献 1には、取出し側が下になるように傾斜させた カセットに複数の薬品を一列に整列させて収容し、最後尾の薬品に当接する重りに よって薬品を前方に付勢し、カセットの前端の角部に設けた出入口から 1つずつ薬品 を取り出し、または取り出した薬品を戻せるようにした薬品収納装置が提案されて ヽ る。

特許文献 1 :特開 2001—198194号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] し力しながら、特許文献 1の薬品収納装置では、カセットの前端の出入口のみが開 口して 、るため、まず重りを奥に押し除けて出入口から薬剤を 1つずつ奥の方へずら せながら収容しなければならないため、薬剤の充填作業が煩雑である。また、取り出 した薬品を戻すとき、カセットの出入口力 露出している最先頭の薬品に戻す薬品を 当てて重りの付勢力に抗して全ての薬品を押し上げ、これにより空いたスペースに薬 品を押し込むため、薬品を戻すときの作業性が悪い等の問題があった。

[0004] 本発明は力かる問題点に鑑みてなされたもので、薬剤の充填時および戻し時の作 業性の良い薬剤カートを提供することを課題とする。また、薬剤を取り出すときに最先 頭から 2番目の薬剤が抜け出るのを防止することができる薬剤カートを提供することを 目的とするものである。

課題を解決するための手段 [0005] 前記課題を解決するため、本発明は、複数の薬剤を起立状態で一列に整列させて 収容する上方に開口したカセットと、該カセット内に最後尾の薬剤を前方に向力つて 押し付ける押付け部材とを備えた薬剤カートにおいて、前記押付け部材の押付け側 の端部に、前記押付け部材と前記最後尾の薬剤との間に薬剤を挿入可能なように挿 入ガイド部を設けた。

[0006] 上記解決手段において、カセットは上方に開口しているため、その広い開口から薬 剤を簡単に充填することができる。また、取り出した薬剤は、挿入ガイド部に押し当て ることにより、挿入ガイド部に案内されて押付け部材と最後尾の薬剤との間に簡単に 挿人することができる。

[0007] 前記挿入ガイド部は、薬剤の挿入方向から見て円弧状の面を有し、該円弧状の面 の曲率半径は薬剤の半径よりも大き 、ことが好まし 、。

[0008] 前記挿入ガイド部は、押付け部材を切り欠 ヽて形成されて ヽることが好ま 、。

[0009] 前記カセットに、最先頭から 2番目の薬剤の頭部または肩部の上方を覆う抜止め部 材を設けることが好ましい。これにより、最先頭の薬剤を取り出す際に、 2番目の薬剤 が摩擦で一緒に持ち上がっても、抜止め部材に阻止される。 発明の効果

[0010] 本発明によれば、押付け部材の押付け側の端部に、該押付け部材と最後尾の薬剤 との間に薬剤を挿入可能なように挿入ガイド部を設けたので、カセットの広い開口か ら薬剤を簡単に充填することができ、また、取り出した薬剤を挿入ガイド部に押し当て るだけで簡単に挿入することができ、薬剤の充填および戻しの作業性が向上する。

[0011] また、カセットに最先頭から 2番目の薬剤の頭部または肩部の上方を覆う抜止め部 材を設けたので、最先頭の薬剤を取り出す際に 2番目の薬剤が抜け出るのを防止す ることができ、薬剤を 1つずつ確実に取り出すことができる。

発明を実施するための最良の形態

[0012] 以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。

[0013] 図 1は、本発明に係る薬剤カート 1の正面図及び側面断面図、図 2は図 1の薬剤力 ート 1のシャツタ 2を閉じた状態の正面図及び側面断面図である。

[0014] 薬剤カート 1は、前面が開口する箱状の本体 3を有する。本体 3の前面の下半部は 垂直で、上半部は後方に傾斜している。本体 3の底面には 4つのキャスタ 4が設けら れ、薬剤カート 1を移動可能になっている。本体 3の下半部には、上下方向に 3個の 引出体 5が前方へ引出し可能に設けられている。これらの引出体 5には種々の備品 が収納される。本体 3の上半部の前面の開口は、図 2に示すように、シャツタ 2によつ て閉鎖可能になっている。また、この本体 3の上半部には引出ラック 6が前方へ引出 し可能に設けられている。

[0015] 前記引出ラック 6は、左右の側板 7と、上下 3段の棚板 8とからなっている。各棚板 8 は左右の側板 7に設けたスライドレール 9に沿って前方に引出し可能に支持されてい る。上下 3段の棚板 8の前端は、 1段目が手前にあり、 2段目、 3段目と上方にゆくに つれて、後方にずれて階段状に配置されている。各棚板 8の上面には、それぞれ複 数のカセット 10が併設されている。各棚板 8の前端には、図 4に示すように、前面パネ ル 11が直立位置（図 1 (b)の 1段目と 3段目のカセット 10参照）と水平位置（図 1 (b)の 2段目のカセット 10参照）の間で支軸 11aを中心として回動可能に取り付けられてい る。前面パネル 11には、カセット 10と対応する位置に LED12が設けられている。各 棚板 8の後端にはキャッチ 13が設けられ、該キャッチ 13は棚板 8を押し込んだときに 側板 7に設けたキャッチ受け 14に係合して、棚板 8が衝撃等によって不用意に脱出 するのを防止している。

[0016] 各棚板 8のカセット 10は、それぞれ異なる薬剤 (本実施形態ではアンプル） 15が収 容され、収容される薬剤 15に応じて異なる大きさになっているが、基本的構造は同 一であるので、以下、いずれ力 1つのカセット 10について説明する。

[0017] カセット 10は、図 3に示すように、薬剤 15を一列で整列して収容可能な上方に開口 する前後方向に長い箱形状を有する。カセット 10の後部は全部よりも高く形成されて いる。カセット 10の前端面には、図 4に示すように、前記前面パネル 11の裏面の穴 1 6に係合する突部 17が設けられている。カセット 10の後端面には、棚板 8に立設した カセット取付けステー 18のピン 19に係合するピン受け 20が設けられている。ピン 19 は、図 6 (b)に示すように、断面が長円形であってその基台 21の取付中心力も偏った 位置に設けられ、ピン受け 20は、図 6 (a)に示すように、断面が U字形であってその 基台 22の取付中心力も偏った位置に設けられている。ピン 19とピン受け 21の取付 角度は、 36° で 10段階に取り付けることができ、各カセット 10毎に異なる角度で取り 付けることで、誤装着を防止することができる。ピン 19とピン受け 20は、 1組みに限ら ず、 2組以上設けることができる。カセット 10の後端のピン受け 20の下方には、カセッ ト取付けステー 18に設けた棚側コネクタ 23に電気的に接続するカセット側コネクタ 2 4が設けられている。カセット 10の後部の上面は、透明なカバー 25で覆われ、該カバ 一 25に当該カセット 10に収容される薬品の名称や写真が表示されている。カセット 1 0の前部側面には、カセット 10に収容される最先頭の薬剤 15aから 2番目の薬剤 15b の肩部 (肩部がな 、場合は頭部でもよ 、)の上方を覆う逆 L字形の抜止め部材 26が 取り付けられている。

[0018] カセット 10の内部底面には、図 7に示すように、後述する図 10の定荷重パネ 54の 帯板が配設されるとともに押付け部材 47がスライド可能に係合するスライド溝 27と、 薬剤 15の大きさに応じてカセット 10の内幅を調整するためのスぺーサ 28が装着され るスぺーサ取付け溝 29が形成されている。カセット 10の内部側面には、押付け部材 47の振止め突起 49が係合する振止レール 30が形成され、その下方には、スライド 抵抗ユニット 31とラックギヤ 46が前後方向に延びるように取り付けられて 、る。

[0019] スライド抵抗ユニット 31は、図 8,図 9に示すように細長い矩形の絶縁基板 32の一 端部に、プラス側導体パターン 33、マイナス側導体パターン 34、および検出側導体 パターン 35が配設され、マイナス側導体パターン 34は、基板 32の他端側に延びて いる。基板 32の導体パターン 33, 34, 35の上には両面テープ 36により第 1と第 2の 2つの細長いスライド抵抗板 37, 38が平行に貼り付けられている。第 1のスライド抵抗 板 37は、マイラーフィルム 39上に抵抗ペースト 40を焼付け、両端部に銀ペースト 41 , 42をさらに焼き付けたものである。両端の銀ペースト 41, 42間の抵抗ペースト 40の 抵抗は 10 Ωである。第 2スライド抵抗板 38も、同様に、マイラーフィルム 39上に抵抗 ペースト 43を焼き付け、一端部から一方の側縁部を通って他端部まで銀ペースト 44 を焼き付けたものである。第 1スライド抵抗板 37の一端の銀ペースト 41は、プラス側 導体パターン 33に金具 45を介して接続され、他端の銀ペースト 42は、金具 45を介 してマイナス側導体パターン 34に接続されて 、る。第 2スライド抵抗板 38の銀ペース ト 44は金具 45を介して検出側導体パターン 35に接続されている。このスライド抵抗 ユニット 31のプラス側導体パターン 33は図 12に示すように 5Vの定電圧電源の Vcc 端子に接続され、マイナス側導体パターン 34は接地され、検出用導体パターン 35は 制御装置 100の検出端子に接続されている。

[0020] カセット 10内に一列で整列して収容される薬剤 15は、押付け部材 47によって前面 側に向力つて押し付けられている。押付け部材 46は図 10に示すように矩形の板状で 、下面には前記カセット 10のスライド溝 27に係合する係合突部 48が形成され、側面 には前記カセット 10の振止めレール 30に係合する振止め突起 49が形成されている 。押付け部材 47の前端上方角部は斜めに切除されて傾斜面 50が形成されている。 この傾斜面 50には、薬剤の挿入方向から見て円弧状の面力もなる挿入ガイド部 51 が形成されている。傾斜面 50の角度は、上方から薬剤 15を挿入する際に必ず薬剤 15が挿入ガイド 51と接触するように設定されている。また、挿入ガイド部 51の円弧面 の曲率半径は、薬剤 15の半径より大きくなつている。挿入ガイド部 51は押付け部材 4 7の前端面に連続している。押付け部材 47の底には凹部 52aが形成され、該凹部 5 2aに定荷重パネ 53が収容されている。定荷重パネ 53は、卷回された長尺の帯板か らなり、先端を引き出すと一定の力で元に戻るもので、商業的に入手可能なコンスト ン (登録商標）等が使用されている。定荷重パネ 53の帯板は、図 11に示すように、前 記カセット 10のスライド溝 27に沿って配設され、その先端はカセット 10の前端側に固 定されている。押付け部材 47の後端面に設けた L字形の突出部 47aには、前記カセ ット 10のラックギヤ 46に嚙合するピ-オンギヤ 54と該ピ-オンギヤ 54に連結された オイルダンバ 55が設けられている。ピ-オンギヤ 54は、オイルダンバ 55の働きにより 回転時に負荷力 Sかかるようになつている。これにより、定荷重パネ 53の付勢力により 押付け部材 47が急に移動して収容した薬剤 15に衝突するといつた不具合の発生を 防止することができる。

[0021] 押付け部材 47の側面の前記振止め突起 49の下方には凹部 52bが形成され、該凹 部 52bに前記スライド抵抗ユニット 31に摺接する 1対のブラシ 56が取り付けられてい る。このブラシ 56は、導電体からなる板状の基部 57と、該基部 57に取り付けられ互 いに平行な導電体でかつ弾性体である摺動部 58, 59と力 なっている。このブラシ 5 6は、図 11に示すように、基部 57を押付け部材 47に取り付けることで、摺動部 58, 5 9の先端部が前記スライド抵抗ユニット 31の第 1と第 2のスライド抵抗板 37, 38にスラ イド可能に圧接するようになっている。摺動部 58, 59の先端は切込み 60が形成され 、多少傾いてもスライド抵抗板 37, 38に均一に接触するようになっている。

[0022] 以上の構成力もなる薬剤カート 1において、薬剤 15を収納するには、前面パネル 1 1を開いてカセット 10を棚板 8から取り出し、押付け部材 47を後方に移動させ、押付 け部材 47とカセット 10の前端の間に所用数の薬剤 15を収容する。薬剤 15は押付け 部材 47によって前方に押し付けられる。

[0023] カセット 3を棚板 8に装着すると、カセット側コネクタ 24と棚側コネクタ 23が電気的に 接触して、棚板 8側力もカセット 10のスライド抵抗ユニット 31に電圧が供給される。押 付け部材 47のブラシ 56は第 1と第 2のスライド抵抗板 37, 38上を摺動し、薬剤 15の 数量に応じた位置で停止する。ブラシ 56の停止位置を Pとすると、図 12に示すように 、 P位置にあるブラシ 56を介して Vp=R2ZRの分圧が制御装置 100に入力される。 制御装置 100は記憶装置に記憶した電圧又は演算条件を読み出し、演算装置で検 出電圧に相当する薬剤個数を演算し、その結果を現在の薬剤個数として出力する。

[0024] 薬剤カート 1をホストコンピュータに接続した場合は当該ホストコンピュータカゝら送信 される処方情報、またはスタンドアロンの場合はバーコードリーダやキーボードで入 力された処方情報に基づいて、処方に必要な薬剤 15が収容されたカセット 10に対 応する前面パネル 11の LED12が点灯又は点滅する。なお、薬剤 15が欠品したとき も LED12が点滅又は点灯する。

[0025] 薬剤 15の取り出しは、カセット 10の最先頭の薬剤 15aを持って上方に引き抜けば よい。このとき、 2番目の薬剤 15bが摩擦により最先頭の薬剤 15aとともに抜け出ようと することがあるが、 2番目の薬剤 15bは抜止め部材 26にあたって抜け出るのが阻止さ れる。最先頭の薬剤 15aを取り出すと押付け部材 47によって薬剤 15の列が前方に 押し付けられ、 2番目にあった薬剤 15bが最先頭にくる。このようにして、必要な数の 薬剤 15を順次取り出すことができる。なお、上下 3段の棚板 8は、 1段目、 2段目、 3段 目と上方にゆくにつれて後方にずれて階段状に配置されて 、るので、下方の 1段目 の棚板 8のカセット 10から薬剤 15を取り出す場合、 2段目の棚板 8が邪魔にならない [0026] 薬剤 15aを取り間違えたり、余分に取り出したときは、当該薬剤 15aをカセット 10に 戻す必要がある。この場合、図 3に示すように、薬剤 15の底を押付け部材 47の挿入 ガイド部 51に沿って押し込んでゆくと、薬剤 15は最後尾の薬剤 15cと押付け部材 47 の間に挿入され、最後尾となる。

[0027] このように、前記薬剤カート 1.は、薬剤 15を 1個づっ確実に取り出すことができるとと もに、一旦取り出した薬剤].5aも簡単にカセット 10に戻すことができるので、薬剤 15 の充填時および戻し時の作業性がょレ、。

[0028] なお、薬剤カート 1を使用しなレ、ときは、シャツタ 2を閉じておけば、権限の無い第三 者が薬剤 15を取り出すことができないので、安全である。また、シャツタ 2を閉じると、 薬剤カード 1の電源が落ちるようにしておくことが好ましい。

[0029] 前記実施形態において、薬剤カート 1の本体の上面に表示パネルを設け、該表示 パネルに取り出した薬剤 15の画像や名称とその数を表示することで、取り出した薬剤 と表示パネルの表示を照合できるようにしてもよい。

図面の簡単な説明

[0030] [図 1 ] ( は本発明に係る薬剤カートの正面図、（b)はその側面断面図

[図 2] (a)は図 1の薬剤カートのシャツタを閉じた状態の正面図、（b)はその側面断面 図

[図 3]カセットの斜視図。

[図 4]カセットの側面図。

[図 5]カセットの上方から見た図。

[図 6]カセットのピンおよびピン受けの正面図。

[図 7]カセットの断面図。

[図 8]スライド抵抗ユニットの平面図。

[図 9]図 8のスライド抵抗ユニットの分解斜視図。

[図 10] (a)は押付け部材の側面図、（b)はその背面図、（c)は平面図。

[図 11]カセットの縦断面図。

[図 12]スライド抵抗ユニットを用いた測定装置の回路図。

符号の説明 差愨ぇ用紙（規則²⁶) 薬剤カート カセット 薬剤 抜止め部材 押付け部材 挿入ガイド部

Claims

請求の範囲

[1] 複数の薬剤を起立状態で一列に整列させて収容する上方に開口したカセットと、該 カセット内に最後尾の薬剤を前方に向かって押し付ける押付け部材とを備えた薬剤 カートにおいて、前記押付け部材の押付け側の端部に、前記押付け部材と前記最後 尾の薬剤との間に薬剤を挿入可能なように挿入ガイド部を設けたことを特徴とする薬 剤カート。

[2] 前記挿入ガイド部は、薬剤の挿入方向から見て円弧状の面を有し、該円弧状の面 の曲率半径は薬剤の半径よりも大きいことを特徴とする請求項 1に記載の薬剤カート

[3] 前記挿入ガイド部は、押付け部材を切り欠 ヽて形成されて ヽることを特徴とする請 求項 1又は 2に記載の薬剤カート。

[4] 前記カセットに、最先頭から 2番目の薬剤の頭部または肩部の上方を覆う抜止め部 材を設けたことを特徴とする請求項 1から 3のいずれかに記載の薬剤カート。