WO2005016209A1 - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

　排泄物と肌との接触を防ぐための手段を有する使い捨ておむつの提供。 　使い捨ておむつ１が身体被覆部２と体液吸収部３とを有する。体液吸収部３は、体液吸収性材のブロック２１と、ブロック２１がおむつ着用者の肌と向かい合う面を被覆する透液性シート２５とからなる。おむつ１には、体液吸収部３を横切り、透液性シート２５と対向している複数条の横断部材３１が設けられる。横断部材３１は、両端部３３ａが体液吸収部３の側縁部２２近傍においておむつ１に接合され、両端部３３ａ間が透液性シート２５に対して非接合状態にある。

Description

明 細 書

使い捨ておむつ

技術分野

[0001] この発明は、使い捨ておむつに関する。

背景技術

[0002] 特開平 11—342156号公報（特許文献 1)に記載された使い捨ておむつは、透液 性表面シートの上方に上面シートを有する。上面シートは、その外周縁部がおむつ 全体に接合され、おむつの股下域の幅方向中央部に開口部を有し、その開口部の 周縁には弾性部材が伸長状態で取り付けられている。おむつが前後方向に湾曲す ると、上面シートは、弾性部材が収縮して開口部の周縁が表面シートから離間する。 このおむつでは、着用者の肛門と泌尿器とを上面シートの開口部内側に位置させて 、排泄物を上面シートと表面シートとの間に捕捉する。このような上面シートは、排泄 物と肌との接触を防ぐための手段となる。上面シートに取り付けられる弾性部材には 、細い糸ゴム等が使用される。

[0003] 特開平 5—285174号公報（特許文献 2)に記載の使い捨てォムッは、透液性の第 1 上面シートの上面に液抵抗性の第 2上面シートが設けられ、その第 2上面シートの中 央部にォムッの前後方向に長く延びる開口部が形成されている。開口部の対向する 両側縁それぞれからは液抵抗性のフラップが延出し、フラップそれぞれの外側縁に 沿って弾性部材が取り付けられ、フラップそれぞれの長さ方向端部が第 2上面シート に接合されている。このようなおむつでも、第 2上面シートが排泄物と肌との接触を防 ぐための手段となり、第 2上面シートに取り付けられる弾性部材には、細い糸ゴム等が 使用される。

特許文献 1 :特開平 11 - 342156号公報

特許文献 2：特開平 5 - 285174号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 特許文献 1および特許文献 2に記載のおむつは、いずれも吸収性の芯材を覆う表 面シートの上方に排泄物と肌との接触を防ぐための手段となる上面シートを有し、こ の上面シートに取り付けられた弾性部材の収縮作用によって、上面シートがおむつ 着用者の肌に密着する。しかし、このようなおむつでは、糸ゴム等からなる細い弾性 部材が肌を局部的に強く刺激して痛みの原因になったり、かぶれの原因になったり するということがある。

[0005] この発明では、排泄物と肌との接触を防ぐための手段を有する使い捨ておむつに おいて、その手段によって肌を強く刺激したり、肌がかぶれたりすることがないように 改良を施すことを課題にしてレ、る。

課題を解決するための手段

[0006] 前記課題解決のために、この発明が対象とするのは、身体被覆部と体液吸収部と を有し、前記身体被覆部が前後方向とこれに直交する幅方向とを有し、前記前後方 向における中央部に股下域が形成され、前記股下域の前方に前胴周り域が形成さ れ、前記股下域の後方に後胴周り域が形成されており、肌と向かい合う内面と前記 内面の反対側の外面とを有する一方、前記体液吸収部が前記身体被覆部の前記内 面の側にあって前記股下域と前記前胴周り域と前記後胴周り域とのうちの少なくとも 前記股下域に配置されている体液吸収性材料のブロックの前記肌と向かい合う面を 透液性シートで被覆することにより形成されている使い捨ておむつである。

[0007] かかるおむつにおいて、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記体 液吸収部は、前記股下域において前記股下域よりも幅狭く形成されており、前記前 後方向へ並行して延びる一対の側縁部を有し、前記ブロックを被覆する前記透液性 シートは、前記肌と向かレ、合う側にぉレ、て前記透液性シートから離間して前記体液 吸収部を横切るように前記幅方向へ延びて前記前後方向に 5 250mmの幅を有す る少なくとも一条の横断部材と対向している。前記横断部材は、前記幅方向の両端 部それぞれが前記側縁部近傍において前記おむつに接合されるとともに、前記両端 部間が前記透液性シートに対して非接合状態にあることによって、前記身体被覆部 と前記体液吸収部とが、前記股下域において前記内面から前記外面へ向かう方向 に凸となってこれら両部の幅を狭くするように変形すると、前記両部が変形する方向 とは反対の前記外面から前記内面へ向力う方向に凸となるように変形可能に形成さ れている。

[0008] この発明には、次のような好ましい実施態様がある。

(1)前記おむつが複数条の前記横断部材を有し、前記前後方向において隣接する 前記横断部材であって前記おむつ着用者の肛門近傍に位置するものどうしは、排泄 される便が前記横断部材どうしの間を通過し得るように、前記前後方向に 10 150 mm離間している。

(2)前記横断部材が熱可塑性合成繊維を含む不織布、熱可塑性合成繊維を含む織 布、および熱可塑性合成樹脂フィルムのレ、ずれかからなる帯状シート片である。

(3)前記帯状シート片は、前記おむつに接合されている前記両端部の間に前記お むつの幅方向へ延びるスリットが形成されており、前記前後方向において隣接するス リットどうしは、それらの間隔が 2 80mmの範囲にある。

(4)前記横断部材は、幅 25mm、長さ 150mmの試料についての前記おむつの幅方 向における剛軟度が 10— 150であって、前記外面から前記内面へ向かう方向に凸と なるように湾曲させて前記おむつに取り付けることにより形成されている。

(5)前記横断部材が C字形を画くように湾曲して前記おむつに取り付けられている。

(6)前記横断部材が Ω字形を画くように湾曲して前記おむつに取り付けられている。

(7)前記横断部材が熱可塑性合成樹脂を含み、

前記外面から内面に向力う方向に凸となるように熱成形されている。

(8)前記おむつには、前記体液吸収部の両側縁部それぞれに沿って前記前後方向 へ延びるとともに前記前後方向に弾性的に伸長、収縮可能な一対の防漏カフが形 成され、前記横断部材がー対の前記防漏カフの内側に設けられている。

発明の効果

[0009] この発明に係る使い捨ておむつでは、体液吸収部を横断してその体液吸収部の上 方にぉレ、て弧を画く複数条の横断部材が設けられており、横断部材と横断部材との 間を通って横断部材と体液吸収部とが形成する空間に流入した便や尿は、その横断 部材の存在によっておむつ着用者の肌と接触することがない。横断部材は、適度な 剛軟度を有し、それ自身が上方に向かって弧を画くように変形したときには、おむつ 着用者の肌に弾性的にゆるく当接することが可能である。このような横断部材では、 おむつ着用者の肌を局部的に強く刺激したり、肌がかぶれたりするということがない。 横断部材にスリットが形成されていると、尿や軟便は、そのスリットを通り抜けて体液 吸収部に到達することが可能になる。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]使い捨ておむつの部分破断斜視図。

[図 2]前後方向に分離し、伸展した状態にある使い捨ておむつの部分破断平面図。

[図 3]図 2の III一 III線切断面を示す図。

[図 4]股下域が変形している使い捨ておむつについての図 3と同様な図。

[図 5]実施態様の一例を示す図 3と同様な図。

[図 6]実施態様の他の一例を示す図 3と同様な図。

[図 7]実施態様の他の一例を示す図 2と同様な図。

[図 8]実施態様の他の一例を示す図 2と同様な図。

[図 9]図 8の IX— IX線に沿う切断面を示す図。

[図 10]実施態様の他の一例を示す図 3と同様な図。

符号の説明

[0011] 1 使い捨ておむつ

2 身体被覆部

3 体液吸収部

6 前胴周り域

7 後胴周り域

8 股下域

21 ブロック（芯材）

22 側縁部

31 , 31a, 31b 横断部材

32 帯状シート片

33a 端部

61 , 61a, 61b スリット

X 幅方向 Y 前後方向

発明を実施するための最良の形態

[0012] 添付の図面を参照して、この発明に係る使い捨ておむつ詳細を説明すると、以下 のとおりである。

[0013] 図 1は、この発明に係る使い捨ておむつ 1の部分破断斜視図である。おむつ 1は、 パンツ型を呈する身体被覆部 2と、平面形状がほぼ長方形に形成された体液吸収部 3 (図 2参照）とを有する。身体被覆部 2は、おむつ着用者の肌に当接する内面シート 4と、着衣に当接する外面シート 5とからなり、股下域 8の前方に前胴周り域 6を有し、 後方に後胴周り域 7を有する。前後胴周り域 6, 7は、互いの側縁部 6a， 7aが合掌状 に重なり合い、図の上下方向に間欠的に並ぶ部位 13において接合している。かかる おむつ 1は、胴周り開口 11と、一対の脚周り開口 12とを有し、胴周り開口 11の周縁 部には複数条の胴周り弾性部材 16が内面シート 4と外面シート 5との間にあって、こ れらシート 4, 5との少なくとも一方の内面に伸長状態で接合している。また、脚周り開 口 12それぞれの周縁部には、複数条の脚周り弾性部材 17が内面シート 4と外面シ ート 5との間にあって、これらシート 4, 5の少なくとも一方の内面に伸長状態で接合し ている。

[0014] 図 2、 3は、図 1のおむつ 1が部位 13において剥離され、矢印 A、 B方向へ伸展され た状態にあるときの部分破断平面図と、その平面図における III一 III線切断面を示す 図である。おむつ 1は、双頭矢印 Xで示される幅方向と、双頭矢印 Yで示される前後 方向とを有し、伸展状態で砂時計型を呈している身体被覆部 2の幅方向 Xの中央部 内面には、股下域 8において身体被覆部 2よりも幅狭く形成されていて、股下域 8から 前後方向 Yに長く延びる体液吸収部 3が設けられている。身体被覆部 2では、前後端 縁部 2a， 2bにおいて外面シート 5がおむつ 1の内側へ折り返されて、内面シート 4に 重ねられている。体液吸収部 3は、芯材 21と透液性シート 25とからなる。芯材 21は、 股下域 8に配置され、好ましくは股下域 8から前後方向 Yに向かって延びている。被 覆シート 25は、芯材 21の内外面 21a, 21bのうちの少なくとも内面 21aを被覆するも ので、図示例では芯材 21の外面 21bをも被覆している。力ような体液吸収部 3は、内 面 34と、外面 35と、前後方向 Yへ延びる一対の側縁部 22と、幅方向へ延びる前後 端縁部 23, 24とを有する。外面 35は、一対の側縁部 22と 22との中間部分、および 前後端縁部 23, 24においてホットメルト接着剤 27を介して身体被覆部 2に接合され ている。体液吸収部 3の内面 34は、前後方向 Yにおける少なくとも一部分力 体液吸 収部 3を横切るように幅方向 Xへ延びており、前後方向 Yにおける幅が 5 250mm である少なくとも一条の横断部材 31によって覆われている。図 2では、その横断部材 31が、前後方向 Yにおいて前胴周り域 6寄りの前方横断部材 31aと、後胴周り域 7寄 りの後方横断部材 31bとのニ条からなる。横断部材 31は、体液吸収部 3を横断して 延びる帯状シート片 32によって形成されており、図 3では、横断部材 31の両端部 33 aが体液吸収部 3の側縁部 22における外面 35に接着剤 27を介して接合される一方 、両端部 33a間の中間部 33bが体液吸収部 3の内面 34を形成している被覆シート 2 5に対して非接合状態にある。好ましい横断部材 31は、両端部 33a間の長さがその 両端部 33a間における体液吸収部 3の表面に沿う長さよりも長ぐ中間部 33bが芯材 21の厚さ方向において、体液吸収部 3の被覆シート 25から上方に向かって離間して いる。横断部材 31が図示例の如く複数条である場合には、前後方向 Yにおいて互い に隣り合う横断部材 31のうちで、おむつ着用者の肛門近傍に位置することとなる横 断部材 31どうしは、便がそれらの間を容易に通過し得るように、図 2に示される如く前 後方向 Yへ寸法 Wだけ離間して間隙 30を形成し、その寸法 Wが 10— 150mmの範 囲にあることが好ましい。横断部材 31は、おむつ 1の幅方向への曲げ変形に対して 1 0— 150の剛軟度を有していることが好ましぐその剛軟度は、 JIS L 1913のセクシ ヨン 6. 7. 2に記載の方法と装置とによって測定される。剛軟度の測定には、おむつ 1 から採取するか、またはそのおむつ 1の横断部材 31と同じ構造を有する幅 25mm、 長さ 150mmの試料が使用される。

体液吸収部 3が取り付けられている身体被覆部 2には、体液吸収部 3の側縁部 22 それぞれの近傍に防漏カフ 36が設けられている。防漏カフ 36は、前後方向 Yへ延 びるシート片、好ましくは不透液性のシート片からなり、基縁部 37と前後端縁部 38, 39とが接着または溶着により身体被覆部 2に接合されており、その前後端縁部 38， 3 9は外面シート 5がおむつ 1の内方へ折り返されている部分によって覆われている。 防漏カフ 36はまた自由縁部 41を有し、その自由縁部 41は、基縁部 37よりもおむつ 1の内方寄りに位置しており、股下域 8とその近傍において身体被覆部 2、体液吸収 部 3、横断部材 31に対して非接合状態にある。 自由縁部 41においてシート片を折り 返すことにより形成されたスリーブ 42の内面には、弾性部材 43が前後方向へ伸長さ れた状態で接合されている。力、ような防漏カフ 36は、当業者にとって自明なように、 おむつ 1の内方へ向かって開口するポケット 44を形成している。

[0016] 図 4は、図 1のおむつ 1が着用されたときの股下域 8の状態を示す図 3と同様な図で ある。仮想線で示されている両脚 51に挟まれた股下域 8は、身体被覆部 2と体液吸 収部 3とが図示の如く下に向かって凸となるように、ほぼ V字状に変形する一方、横 断部材 31が上に向かって凸となるようにほぼ逆 V字状ないし弧状に変形して、体液 吸収部 3と横断部材 31とが大きく離間し、おむつ 1の前後方向へ長く延びるトンネル 状の空間 52を形成する。そのように変形した横断部材 31の中間部 33bは、着用者 の股部 50に下方から弾性的にゆるく接触して、おむつ着用者の肌を刺激することが なレ、。図 2の平面形状のおむつ 1が図 1のパンツ型のおむつ 1となるときに、おむつ 1 が前後方向に湾曲して U字形を画くと、防漏カフ 36は、弾性部材 43が収縮して図 4 の如く身体被覆部 2の内面から起立し、 自由縁部 41が着用者のそ径部 53の近傍に 当接可能になる。

[0017] 図 4の状態にあるおむつ 1では、便が排泄されると、前方横断部材 31aと後方横断 部材 31bとが形成している間隙 30を通過して、体液吸収部 3の内面 34に到達する。 便は、それが軟便等の流動性のものであれば、空間 52の内側を流れて体液吸収部 3の前後方向に広がる。そのように広がった便は、前方横断部材 31aおよび/または 後方横断部材 31bによって覆われており、おむつ着用者の肌に触れることがない。こ のように作用する横断部材 31は、図 4の如く上方に向かって凸となるように変形する ことが容易になるように、また肌を強く刺激することがないように 10 150の剛軟度を 有する。横断部材 31は、剛軟度が 10よりも小さいと、フレキシブルになり過ぎて、上 方に向かって凸となるように変形することが難しくなる。また、剛軟度が 150を超えると 、図 4の如く着用者の肌に触れたときに、柔軟に変形することが難しぐ肌を刺激する 原因となる。

[0018] このような横断部材 31を形成している帯状シート片 32には、不織布や織布、プラス チックフィルム、開孔プラスチックフィルム、ネット等のシート材料を使用することができ る。帯状シート片 32には、弾性的に変形可能なシート材料と非弾性的に変形可能な シート材料とのいずれをも使用し得る力 それが弹性的に変形可能なものであれば、 横断部材 31は上方に向かって凸となるように変形することが容易になる。そのような 弾性的なシート材料には、卷縮した繊維、例えば卷縮した複合繊維からなる不織布 、天然ゴムや合成ゴム等のエラストマ一力 なるフィルムやネット、ウレタンやポリェチ レン、ポリスチレン等からなる発泡プラスチックのシートがある。帯状シート片 32にはま た、疎水性のシート材料でも親水性のシート材料でも使用し得る。帯状シート片 32が 疎水性のものであれば、それから得られる横断部材 31は、おむつ着用者に対して排 尿後にもドライな感触を与えることができるものになるが、横断部材 31の上面におい て尿が側方へ流れ易いという場合がある。横断部材 31が親水性のものであれば、そ の上面において尿が側方へ流れることを防止し得るが、排尿後のおむつ着用者に対 してウエットな感触を与えることがある。帯状シート片 32では、疎水性繊維に対して親 水性繊維を適量混合し、帯状シート片 32における疎水性の程度を適度なレベルに 調整すること力 Sできる。

[0019] 身体被覆部 2における内面シート 4には、不織布やプラスチックフィルムを使用する こと力 Sできる。外面シート 5にも不織布やプラスチックフィルムを使用することができる 。内面シート 4と外面シート 5とは、いずれも通気性のものであることが好ましいが、少 なくとも一方は不透液性のものであって、体液吸収部 3の外へ出た体液のおむつ 1か らの漏れを防げるものであることが好ましい。図 1において、身体被覆部 2の前後端縁 部 2a、 2bにおいて内側へ折り返されている外面シート 5は、そのような折り返しのな レ、ものに替えることができる。

[0020] 体液吸収部 3におレ、て、芯材 21には、例えば粉砕パルプ、粉砕パルプと高吸水性 ポリマー粒子または高吸水性ポリマー繊維との混合物等の吸水性材料を所要の形 状に圧縮成形することによって得られるブロックやそのブロックをティッシュぺーパ等 の液拡散性シートで被覆したものを使用することができる。また、体液吸収性のシート 材料、例えばレーヨン紙やティシュぺーパ、天然繊維の織布を重ね合わせてなる吸 水性のブロックを使用することもできる。芯材 21に対して使用される被覆シート 25に は、透液性の不織布や透液性の開孔プラスチックフィルム、ティシュぺーパ等がある

。ただし、芯材 21は、体液被覆部 2と向かい合う外面 21bを不透液性シートで被覆し て、芯材 21がおむつ着用者の肌と向かい合う内面 21aのみを透液性シートで被覆し ておくこともできる。防漏カフ 36には、不織布やプラスチックフィルム等のシート材料 を使用することができる。このシート材料には、好ましくは不透液性、より好ましくは通 気不透液性のものを使用する。

[0021] 図 5は、この発明の実施態様の一例を示す図 3と同様な図である。このおむつ 1に おける横断部材 31は、重なり合う 3枚の同形同大のシート片 32a, 32b, 32cからなる 帯状シート片 32によって形成されている。 3枚のシート片 32a, 32b, 32cは、適宜の 位置に形成された接合部 56において接着または溶着によって一体化するように接 合されている。かような帯状シート片 32では、それぞれのシート片 32a, 32b, 32cに 肌触りのよい柔軟な不織布を使用する一方、 3枚のシート片 32a， 32b, 32cを部分 的に一体化して帯状シート片 32としての剛軟度を高めることによって、肌触りがよくて し力も上方に向かって凸となるように容易に変形し得る横断部材 31を提供することが できる。また、この帯状シート片 32では、最上層のシート片 32aに剛軟度が低くて肌 触りのよい不織布を使用し、中間層や最下層のシート片 32b, 32cに剛軟度の高い シート材料を使用することもできる。

[0022] 図 6もまた、この発明の実施態様の一例を示す図 3と同様な図である。このおむつ 1 では、横断部材 31の両端部 33aがおむつ 1の外方へ向くように折曲されており、横 断部材 31の切断面が Ω字状を呈している。帯状シート片 32の性状によっては、横断 部材 31がこのような形状をとることによって、上方に向かって凸となるように湾曲したと きの横断部材 31と体液吸収部 3との離間距離が大きくなり易い。

[0023] 図 7もまた、この発明の実施態様の一例を示す図 2と同様な図である。このおむつ 1 における横断部材 31は、前方横断部材 31aと後方横断部材 31bとのニ条からなり、 横断部材 31a， 31bそれぞれには、おむつ 1の幅方向 Xに延びており、好ましくは体 液吸収部 3を横断する第 1、第 2スリット 61a, 61bが形成されている。隣接する第 1ス リット 61aどうしの間隔 mと、隣接する第 2スリット 61bどうしの間隔 nとは、 2— 80mmの 範囲にある。前方横断部材 31aと後方横断部材 31bとは、体液吸収部 3の上方に位 置する部分が第 1、第 2スリット 61a, 61bによって複数条に細分化されているので、 おむつ 1が着用されたときに、複雑な曲線を画くおむつ着用者の肌に対しても密着 すること力 S容易になる。また、尿や軟便は、第 1スリット 61aや第 2スリット 61bを通過し て前方横断部材 31aや後方横断部材 31bの内側に入ることが可能で、そのように流 れた尿は、もはや着用者の肌を濡らすことがない。また、前方横断部材 31aに第 1スリ ット 61aおよび/または後方横断部材 31bに第 2スリット 61bが形成されているおむつ 1では、間隙 30と肛門の位置がずれている場合でも、排泄物が第 1スリット 61aや第 2 スリット 61bを通り向けて体液吸収部 3に到達することが可能である。図示例において 、第 1スリット 61aは幅方向 Xに長く連続して形成され、第 2スリット 61bは幅向 Xに短く 間欠的に形成されているが、第 1スリット 61aを第 2スリット 61bのように間欠的なもの にしたり、第 2スリット 61bを第 1スリット 61aのように連続的なものにしたりして、この発 明を実施することもできる。

[0024] 図 8もまた、この発明の実施態様の一例を示す図 3と同様な図である。このおむつ 1 では、前胴周り域 6寄りに一条の横断部材 31が設けられる。この横断部材 31は、図 3 における前方横断部材 31aとほぼ同じ位置に、ほぼ同じ寸法で作られている。ただし 、この横断部材 31は、前方側縁部 61の近傍に接合部位 62を有し、その部位 62が 接着または溶着により被覆シート 25に接合されている。力 うなおむつ 1の股下域 8 における E— E線に沿う切断面の形状は、図 3のそれと実質的に同じであるから、その 図示は省略する。横断部材 31は、おむつ 1の大きさに応じて幅を 5— 250mmの間 で調整することができる。横断部材 31の位置は、図示例のように前月同周り域 6寄りで あることが好ましいが、その位置を前後方向 Yにずらすことも可能である。このおむつ 1の横断部材 31にも、図 7に例示の第 1スリット 61aや第 2スリット 61bと同じような形状 のスリットを設けることができる。

[0025] 図 9は、図 8の IX— IX線に沿う切断面を示す図である。図 8において、 IX— IX線は接 合部位 62を横切っている。横断部材 31がおむつ 1の中央部位において被覆シート 2 5に接合されているので、横断部材 31と被覆シート 25とがおむつ 1の胴周り開口 11 ( 図 1参照）に向かって大きく口を開けるように離間することがない。このようなパンツ型 のおむつ 1では、それを乳幼児に着用させるときに、爪先を誤って横断部材 31と被 覆シート 25との間に入れるということがない。

[0026] 図 10もまた、この発明の実施態様の一例を示す図 3と同様な図である。このおむつ 1では、パンツ型の身体被覆部 2における内面シート 4が透液性の不織布で形成され 、外面シート 5が不透液性のプラスチックフィルムで形成されている。体液吸収部 3は 、体液吸収性の芯材 21とその芯材 21が肌と向かい合う面を被覆している内面シート 4とによって形成されている。芯材 21は、粉砕パルプと高吸水性ポリマー粒子との混 合物からなるブロック、またはこれら両者の積層物からなるブロックをティッシュぺーパ で被覆することにより形成されていて、内面シート 4と外面シート 5との間に配置され、 これら両シート 4， 5の少なくとも一方の内面にホットメルト接着剤（図示せず）を介して 接合されている。横断部材 31の帯状シート片 32は、熱可塑性合成繊維の不織布か らなり、横断部材 31は全体としてほぼ C字形を画くように、両端部 33aがおむつ 1の 内方へ向かって折曲され、芯材 21の側縁部 22よりも外方において、内面シート 4に 接着または溶着により接合されている。このように使用される内面シート 4は、身体被 覆部 2を形成するものであると同時に、体液吸収部 3を形成するものでもある。このよ うなおむつ 1においても、それが着用されたときには、横断部材 31の下方に図 3と同 様な大きな空間が形成される。

[0027] この発明において、横断部材 31は、両端部 33aのそれぞれが確実におむつ 1の内 方または外方へ向くようにしたり、中間部 33bが確実に上方に向かって凸となるように するために、横断部材 31が熱可塑性合成樹脂を含むものである場合には、その切 断面形状が C字状または Ω字状となるように予め熱成形しておくことができる。図示 例においてパンツ型のおむつ 1を例とつて説明したこの発明は、開放型のおむつに おいて実施することも可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 身体被覆部と体液吸収部とを有し、前記身体被覆部が前後方向とこれに直交する 幅方向とを有し、前記前後方向における中央部に股下域が形成され、前記股下域の 前方に前胴周り域が形成され、前記股下域の後方に後胴周り域が形成されており、 肌と向かい合う内面と前記内面の反対側の外面とを有する一方、前記体液吸収部が 前記身体被覆部の前記内面の側にあって前記股下域と前記前胴周り域と前記後胴 周り域とのうちの少なくとも前記股下域に配置されている体液吸収性材料のブロック の前記肌と向かい合う面を透液性シートで被覆することにより形成されている使い捨 ておむつにおいて、

前記体液吸収部は、前記股下域において前記股下域よりも幅狭く形成されており、 前記前後方向へ並行して延びる一対の側縁部を有し、前記ブロックを被覆する前記 透液性シートは、前記肌と向かレ、合う側にぉレ、て前記透液性シートから離間して前 記体液吸収部を横切るように前記幅方向へ延びて前記前後方向に 5— 250mmの 幅を有する少なくとも一条の横断部材と対向しており、

前記横断部材は、前記幅方向の両端部それぞれが前記側縁部近傍にぉレ、て前記 おむつに接合されるとともに、前記両端部間が前記透液性シートに対して非接合状 態にあることによって、前記身体被覆部と前記体液吸収部とが、前記股下域におい て前記内面から前記外面へ向力 方向に凸となってこれら両部の幅を狭くするように 変形すると、前記両部が変形する方向とは反対の前記外面から前記内面へ向かう方 向に凸となるように変形可能に形成されてレ、ることを特徴とする前記おむつ。

[2] 前記おむつが複数条の前記横断部材を有し、前記前後方向において隣接する前 記横断部材であって前記おむつ着用者の肛門近傍に位置するものどうしは、排泄さ れる便が前記横断部材どうしの間を通過し得るように、前記前後方向に 10— 150m m離間してレ、る請求項 1記載の使レ、捨ておむつ。

[3] 前記横断部材が熱可塑性合成繊維を含む不織布、熱可塑性合成繊維を含む織 布、および熱可塑性合成樹脂フィルムのいずれ力からなる帯状シート片である請求 項 1または 2記載の使い捨ておむつ。

[4] 前記帯状シート片は、前記おむつに接合されている前記両端部の間に前記おむ つの幅方向へ延びるスリットが形成されており、前記前後方向において隣接するスリ ットどうしは、それらの間隔が 2— 80mmの範囲にある請求項 3記載の使い捨ておむ つ。

[5] 前記横断部材は、幅 25mm、長さ 150mmの試料についての前記おむつの幅方 向における剛軟度が 10— 150であって、前記外面から前記内面へ向かう方向に凸と なるように湾曲させて前記おむつに取り付けることにより形成されている請求項 1一 4 のレ、ずれかに記載の使レ、捨ておむつ。

[6] 前記横断部材が C字形を画くように湾曲して前記おむつに取り付けられている請求 項 1一 5のレ、ずれかに記載の使レ、捨ておむつ。

[7] 前記横断部材が Ω字形を画くように湾曲して前記おむつに取り付けられている請 求項 1一 5のレ、ずれかに記載の使レ、捨ておむつ。

[8] 前記横断部材が熱可塑性合成樹脂を含み、前記外面から内面へ向力 方向に凸 となるように熱成形されてレ、る請求項 1一 7のレ、ずれかに記載の使レ、捨ておむつ。

[9] 前記おむつには、前記体液吸収部の両側縁部それぞれに沿って前記前後方向へ 延びるとともに前記前後方向に弾性的に伸長、収縮可能な一対の防漏カフが形成さ れ、前記横断部材がー対の前記防漏カフの内側に設けられている請求項 1一 8のい ずれかに記載の使い捨ておむつ。