移動通信端末、 アプリケーションプログラムの実行状態制御方法、 アプリケー ションプログラム、 及びアプリケーションプログラムを記録した記録媒体 技術分野
本発明は、 移動通信端末、 アプリケーションプログラムの実行状態制御方法、 アプリケーションプログラム、 及びアプリケーシヨンプログラムを記録した記録 媒体に関する。
背景技術
従来、 携帯電話を始めとする移動通信端末で実行可能なアプリケーションプロ グラムとして、 常駐型アプリケーションプログラムが開発されている。 常駐型ァ プリケーシヨンプログラムは、 電源の投入に伴って自動的に起動され、 電源の切 断若しくはユーザによる終了指示があるまで実行状態を継続するアプリケーショ ンプログラムである。 常駐型アプリケーションプログラムとしては、 例えば、 電 話や電子メールの着信を待機する画面 (以下、 「待受け画面」 と記す。) を表示す るアプリケーションプログラム等がある。
発明の開示
しかしながら、 常駐型アプリケーションプログラムは、 実行している時間が長 い上に動画像データが使用されることもある。 この様な場合には、 移動通信端末 の消費電力が特に高くなる。 そこで、 消費電力を低減する為に、 アプリケーショ ンプログラムを一旦終了させると、 再起動する際にユーザがそのアプリケーショ ンプログラムを選択して実行する操作と時間を必要とする。 また、 一旦終了した アプリケーションプログラムは、 終了時の実行状態が反映されておらず、 終了時 の表示画面に戻すには、 その為の操作と時間も要することになる。
この様な難点を解決する為に、 移動通信端末の O S (Operating System) に省 電力状態 (スリープ状態) をもたせて、 アプリケーションプログラムの実行状態 を制御する方法も考えられる。 しかし、 O Sを介した実行状態の制御では、 アブ
リケーションプログラムは、 その実行状態とは無関係に停止或いは終了すること がある。 このため、 アプリケーションプログラム本来の処理を実行することがで きない場合がある。 また、 アプリケーションプログラムが O Sにより省電力状態 に遷移した場合に、 アプリケーションプログラムが単独で復帰する術がない。 本発明の課題は、 上記問題点に鑑みて、 利便性を維持しつつ消費電力を低減し た移動通信端末、 アプリケーションプログラムの実行状態制御方法、 アプリケー シヨンプログラム、 及びアプリケーションプログラムを記録した記録媒体を提供 することである。
本発明に係る移動通信端末は、アプリケーションプログラムの通常実行状態と、 前記アプリケーシヨンプログラムを一時的に停止する休眠状態とを切り替える制 御を行う制御手段を備えることを特徴とする。
本発明に係るアプリケーションプログラムの実行制御方法は、移動通信端末が、 当該移動通信端末に格納されているアプリケーションプログラムの実行状態を制 御する、 アプリケーションプログラムの実行状態制御方法であって、 移動通信端 末が、 アプリケーションプログラムの通常実行状態と、 前記アプリケーションプ 口グラムを一時的に停止する休眠状態とを切り替える制御を行う制御工程を含む ことを特徴とする。
本発明に係るアプリケーションプログラムは、 移動通信端末によって実行状態 が制御されるアプリケーションプログラムであって、 当該アプリケーションプロ グラムの通常実行状態と、 実行中の当該アプリケーションプログラムを一時的に 停止する休眠状態とを切り替える為の関数を含むことを特徴とする。
これらの発明によれば、 通常実行状態と、 アプリケーションプログラムを一時 的に停止する休眠状態とが切替え制御される。 休眠状態にあるアプリケーション プログラムは終了していないので、 再起動する手間と時間を要せずに、 通常実行 状態に復帰できる。 また、 休眠状態では、 通常実行状態よりも移動通信端末の消 費電力が低い。 従って、 移動通信端末の利便性を維持しつつ消費電力を低減でき
る。
また、 O Sを介した制御とは異なり、 アプリケーションプログラムの実行状態 は、 当該アプリケーションプログラム自体に含まれる関数に従って制御される。 従って、 アプリケーションプログラムが、 その実行状態とは無関係に停止或いは 終了することがない。 更に、 O Sにより省電力状態に遷移した場合と異なり、 ァ プリケーシヨンプログラムが単独で休眠状態から復帰することができる。
好ましくは、 本発明に係る移動通信端末は、 前記通常実行状態と前記休眠状態 との間における状態遷移を指示する指示手段を更に備え、 前記制御手段は、 前記 指示手段からの前記指示に伴って、 前記アブリケーシヨンプログラムの実行状態 を、 通常実行状態と休眠状態との間で切り替える制御を行う。
好ましくは、 本発明に係るアプリケーションプログラムの実行制御方法は、 前 記移動通信端末が、 前記通常実行状態と前記休眠状態との間における状態遷移を 指示する指示工程を更に含み、 前記制御工程にて、 前記指示工程における前記指 示に伴って、 前記アプリケーションプログラムの実行状態を、 通常実行状態と休 眠状態との間で切り替える制御を行う。
好ましくは、 本発明に係るアプリケーションプログラムは、 通常実行状態と休 眠状態との間における状態遷移の指示に伴って、 通常実行状態と休眠状態との間 で実行状態を切り替える為の関数を含む。
これらの発明によれば、 ユーザは、 切替えキーの押下等の簡単な操作でアプリ ケーシヨンプログラムの実行状態を容易に遷移させることができる。 即ち、 発信 処理等の電話本来の機能を即時に利用可能な実行状態を継続しつつ、 消費電力の 低い実行状態と消費電力の高い実行状態との間でのアプリケーションプログラム の切替えを容易に行うことができる。 その結果、 移動通信端末の利便性を維持し つつ、 ユーザの所望に応じた木目細やかな節電が可能となる。
好ましくは、 本発明に係る移動通信端末は、 前記制御手段は、 前記アプリケー ションプログラムに含まれる関数に従って、 前記アプリケーションプログラムの
実行状態を、 休眠状態と通常実行状態との間で切り替える制御を行う。
好ましくは、 本発明に係るアプリケーションプログラムの実行制御方法は、 前 記制御工程にて、 前記アプリケーションプログラムに含まれる関数に従って、 前 記アプリケーションプログラムの実行状態を、 通常実行状態と休眠状態との間で 切り替える制御を行う。
これらの発明によれば、 移動通信端末は、 アプリケーションプログラムを即時 に利用可能な実行状態と、 消費電力の低い実行状態との切替え操作をユーザが行 う必要が無い。 従って、 ユーザが休眠状態への遷移指示をしていない場合であつ ても、 移動通信端末の消費電力が長時間浪費されることを防止できる。
また、 上述したアプリケーションプログラムを記録した記録媒体を単体若しく は添付の製品として販売、 配布すれば、 本発明に係る実行状態制御技術を広範か つ安価に実施できる。
好ましくは、 本発明に係る移動通信端末において、 前記制御手段は、 前記休眠 状態において、 前記アプリケーションとは異なるネイティブアプリケーションを 実行させる。
好ましくは、 本発明に係るアプリケーションプログラムの実行状態制御方法に おいて、 前記制御工程は、 前記休眠状態において、 前記アプリケーションとは異 なるネイティブアプリケーションを実行させる。
これによれば、 アプリケーションプログラムの休眠状態においても、 ユーザは 移動通信端末本来の電話、 メール、 ブラウジング機能等を好適に使用することが できる。
図面の簡単な説明
図 1は、 携帯電話の機能的構成を示すブロック図である。
図 2は、 実行状態遷移処理を示す状態遷移図である。
図 3 Aは、 活性化状態におけるキー入力前の表示画面例を示す図である。 図 3 Bは、 活性化状態におけるキー入力後の表示画面例を示す図である。
図 4 Aは、 非活性化状態におけるキー入力前の表示画面例を示す図である。 図 4 Bは、 非活性化状態におけるキー入力後の表示画面例を示す図である。 図 5 Aは、 休眠状態への遷移前における表示画面例を示す図である。
図 5 Bは、 休眠状態への遷移後における表示画面例を示す図である。
図 6は、 記録媒体の構成図である。
図 7は、 コンピュータのシステム構成図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、 添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。 まず、 構成を 説明する。 図 1は、 携帯電話 1の機能的構成を示すブロック図である。 図 1に示 す様に、 携帯電話 1 (移動通信端末に対応する) は、 制御部 2 (制御手段に対応 する)、 入力部 3 (指示手段に対応する)、 R AM 4、 表示部 5、 記憶部 6、 無線 通信部 7、 及び音声処理部 8により構成され、 各部はバス 9を介して各種信号の 入出力が可能な様に接続されている。
制御部 2は、 R OM (Read Only Memory) 2 aを内蔵し、 R OM 2 aに予め記 憶されているプログラムを読み出して R AM 4に展開し、 当該プログラムに従つ て各部を集中制御する。 即ち、 制御部 2は、 入力部 3からの入力信号と R AM 4 に展開したプログラムに従って、 各種処理を実行し、 その処理結果を R AM 4に 一時的に記憶すると共に表示部 5に表示させる。 そして、 R AM 4に記憶した処 理結果を必要に応じて記憶部 6内の所定の領域に格納させる。
入力部 3は、 電源の投入、 アプリケーションプログラムの選択及び実行、 後述 する実行状態の切替え、 後述する休眠時間の設定等を指示する各種操作キーを備 えて構成され、 これら各種操作キーは、 単独で又は組み合せて押下されることに より、 指示内容に応じた入力信号を制御部 2に出力する。
R AM (Random Access Memory) 4は、 半導体等により構成され、 制御部 2に より実行される各種処理において、 R OM 2 aから読み出されたプログラムや記 憶部 6から読み出されたデータを一時的に格納する。 例えば、 R AM 4は、 後に
詳述する実行状態遷移処理の実行に際して、 制御部 2により設定された休眠時間 やタイマの設定時刻のデータを記憶する。 また、 R AM 4は、 後述する休眠状態 への遷移時における表示データを記憶する。
表示部 5は、 L C D (Liquid Crystal Display)や E L (Electro Luminescence) 等により構成され、 制御部 2から入力される信号に従って所定の領域内に表示デ ータの表示を行う。 表示データは、 アプリケーションプログラムの実行に伴って 使用されるデータであり、 静止画像データのみならず、 株価ボードやゲーム等の 動画像データを含む。
記'慮部 6は、 E E P R OM (Electrical ly Erasable and Programmable ROM) 等の不揮発性の半導体メモリにより構成され、 制御部 2が各種処理を実行する為 に必要なデータや実行の結果生成されたデータ等を記憶する。また、記憶部 6は、 アプリケーションプログラム 6 1と A D F (Attribute Definit ion Fi le) とを対 応付けて格納する。 A D Fは、 アプリケーションプログラム 6 1の属性に関する データにより構成されるファイルである。 属性に関するデータとは、 例えば、 ァ プリケーシヨンプログラム 6 1が実行状態の遷移機能を有することを示すデータ (MyConcierge キー) である。 尚、 アプリケーションプログラム 6 1は、 携帯電 話 1との着脱が可能な I Cカード等の記録媒体に格納ざれているものとしてもよ レ、。
無線通信部 7は、 信号の変復調を行う変復調部 (図示せず) と信号の符復号化 を行う符復号部 (図示せず) を有する回路であり、 アンテナ 7 aを備える。 アン テナ 7 aは、 携帯電話 1の筐体上部に伸縮可能に設けられ、 基地局 Bとデータの 送受信を行う。
変復調部は、 受信時には、 アンテナ 7 aから入力された信号を、 符復号部が処 理可能な信号に復調する処理を行う。 一方、 送信時には、 符復号部で変換された デジタル信号を、無線送信可能な信号に変調する処理を行う。また、符復号部は、 コーデックにより構成され、 受信時には、 変復調部から入力されたデジタル信号
をアナログ信号に変換する処理 (複号化) を行う。 一方、 送信時には、 音声信号 等のアナログ信号をデジタル信号に変換する処理 (符号化) を行い、 変換したデ ジタノレ信号を送信に適したデータ量に圧縮する。
音声処理部 8は、 変換器、 増幅器等により構成され、 マイク 8 a、 スピーカ 8 bを備える。 音声処理部 8は、 通話時に、 制御部 2から入力される音声データを 変換器でアナログ信号に変換し、 増幅器を介してスピーカ 8 bから放音する。 ま た、 音声処理部 8は、 通話時に、 マイク 8 aから入力される音声信号を変換器に より無線通信可能なデジタル信号に変換して無線通信部 7へ出力する。
次に、 図 2を参照して本実施形態における動作を説明する。 動作説明の前提と して、 実行状態の遷移機能を有するアプリケーションプログラムと、 携帯電話 1 本来の機能 (電話機能、 メール機能、 ブラウジング機能等) を実現する為のアブ リケーシヨンプログラムとを明確に区別する為、 前者を 「常駐型アプリケーショ ン」 と記し、 後者を 「ネイティブアプリケーション」 と記す。
図 2は、実行状態遷移処理を説明する為の状態遷移図である。図 2に示す様に、 携帯電話 1は、 常駐型アプリケーションの実行状態として、 非活性化状態、 活性 化状態、 及び休眠状態の三つの状態を切替え可能に有する。 また、 非活性化状態 と活性化状態とを纏めて 「通常実行状態」 と記す。
非活性化状態は、 常駐型アプリケーションに対するキー入力を拒否する実行状 態である。 ここにいう入力とは、 ハードウェアとして実装された操作キーによる 入力は元より、 表示部 5に表示されたソフトウェアキーの選択による間接的な入 力を含む。 非活性化状態では、 常駐型アプリケーションは、 従来の待受け画面と 同様に、 表示、 無線通信によるデータの送受信及び更新等を行う。 尚、 この表示 には、 表示データの更新を含む。 また、 非活性化状態においては、 キーイベント (キー入力に基づいて制御部 2が行う処理命令) の受信ゃソフトウユアキーの表 示等の処理は、 常駐型アプリケーションによっては実行されず、 ネイティブァプ リケーションによってのみ実行される。
活性化状態は、 常駐型アプリケーションに対するキー入力を許可する実行状態 である。 活性化状態では、 常駐型アプリケーションは、 その機能を実現する為の 全ての処理を実行する。 即ち、 活性化状態においては、 キーイベントの受信ゃソ フトウエアキーの表示等の処理も、 常駐型アプリケーションによってのみ実行さ れる。
また、 活性化状態において、 携帯電話 1が基地局 B側からメールが着信した旨 の信号を受けた場合には、 ネイティブアプリケーションはメールが着信している ことを示す絵文字を表示部 5に表示させるのみでメールサーバからメールの内容 の受信は行わないように設定可能である。
休眠状態は、 常駐型アプリケーションが一時的に停止された実行状態である。 休眠状態では、 常駐型アプリケーションは、 非活性化状態又は活性化状態への遷 移を指示するキーイベントを待機する。 即ち、 休眠状態においては、 状態遷移指 示以外のキーイベントの受信や表示等の処理は、 常駐型アプリケーシヨンによつ ては実行されず、 ネイティブアプリケーションによってのみ実行される。 尚、 表 示には、 表示データの更新を含む。 例えば、 動画待受け画面等を表示する常駐型 アプリケーションでは、 休眠状態における表示データが静止画像データとなり、 壁紙として機能するのみである。 従って、 携帯電話 1は、 非活性化状態よりも低 い消費電力を実現できる。 尚、 休眠状態では、 常駐型アプリケーションは、 K V M (K Virtual Machine) や J AM (Java Application Manager) 等のソフ卜ゥェ ァを含めて停止する。
また、 休眠状態において、 携帯電話 1が基地局 B側からメールが着信した旨の 信号を受けた場合には、 ネイティブアプリケーションはメールサーバからメール の内容を自動受信できるようになつている。 このように、 活性化状態と休眠状態 とで基地局 B側からメールが着信した旨の信号を受けた場合のネィティブアプリ ケーシヨンの動作に差を付けることにより、 ゲーム等の常駐型アプリケーション を活性化させている場合にメールの到着毎に常駐型アプリケーションの実行が妨
げられないようにできる一方、 ゲーム等を中断して常駐型アプリケーション等が 休眠状態とされている際には自動的にメールの受信ができる。
以下、 実行状態遷移処理について詳細に説明する。 まず、 入力部 3により常駐 型アプリケーションの実行が指示されると、 制御部 2は、 記憶部 6から常駐型ァ プリケーシヨンを読み出して起動する (S l )。 起動時に、 当該常駐型アプリケー シヨンが実行状態の遷移機能を有する常駐型アプリケーションである旨が、 制御 部 2に通知される。 この通知処理は、 記憶部 6に格納されている A D Fの MyConciergeキーを制御部 2が参照することにより行う。
尚、 常駐型アプリケーションは、 携帯電話 1が待受け状態になった時に自動的 に起動(以下、 「待受起動」 と記す。) されるものとしてもよレ、。 この待受起動は、 A D Fに MyConciergeキーが含まれており、 かつ、 メニューにおいて待受けの設 定が為されている場合にのみ実行される。
本実施形態では、 常駐型アプリケーションとして、 動画待受け画面を表示する アプリケーションを想定し、 起動直後における実行状態は、 非活性化状態 (S 2 ) とする。
非活性化状態から活性化状態への状態遷移 (T 1 ) は、 入力部 3からの実行状 態の切替え指示に基づいて、 制御部 2が実行する。 これにより、 ユーザは、 切替 えキーの押下等の簡単な操作で常駐型アプリケーションを非活性化状態から活性 化状態に容易に遷移させることができる。 即ち、 ネイティブアプリケーションを 即時に利用可能な実行状態を維持しつつ、 常駐型アプリケーションに対する入力 が可能な実行状態への切替えも容易に行うことができる。尚、 T 1の状態遷移は、 常駐型アプリケーションに含まれる関数に従って、 制御部 2が実行するものとし てもよい。
また、 T 1の状態遷移後においても継続して実行される処理は、 以下に示す通 りである。 即ち、 ティッカ一 (文字が流れたり点滅したりする掲示板) の表示、 音声や画像等のメディアリソースの再生、 タイマの計時、 H T T P (HyperText
Transfer Protocol) 通信、 スクラッチパッド (アプリケーションで作成したデー タゃネットワーク経由で受信したデータを保存する領域) へのアクセス、 バイブ レータの動作、 バックライ トの点灯等である。
活性化状態から非活性化状態への状態遷移 (T 2 ) は、 常駐型アプリケーショ ンに含まれる関数 (例えば deactivate") に基づいて、 制御部 2が自動的に実行 する。 例えば、 動画待受け画面等を表示する常駐型アプリケーションは、 閲覧頻 度に比べて入力頻度が少ないので、 ユーザによる切替え指示が無い限り、 非活性 化状態を継続するのが好適である。 これに対して、 ネイティブアプリケーション は、 一般的に、 常駐型アプリケーションよりも入力頻度が高いので、 可能な限り ネイティブアプリケーションの活性化状態を継続するのが好適である。 そこで、 常駐型アプリケーションの実行状態を活性化状態から非活性化状態に自動的に切 り替えることにより、 ネイティブアプリケーションに対するキー入力を優先的に 受け付ける様にしたものである。 尚、 T 2に示す状態遷移は、 入力部 3からの実 行状態の切替え指示に基づいて、 制御部 2が実行するものとしてもよレ、。
また、 T 2の状態遷移後においても継続して実行される処理は、 以下に示す通 りである。 即ち、 ティッカ一の表示、 音声や画像等のメディアリソースの再生、 タイマの計時、 H T T P通信、 スクラッチパッ ドへのアクセス、 バイブレータの 動作、 バックライトの点灯、 及びバックライ トの消灯等である。
非活性化状態から休眠状態への状態遷移 (T 3 ) は、 常駐型アプリケーション に含まれる関数 (例えば "sleep") に基づいて、 制御部 2が自動的に実行する。 休 眠状態においては、 非活性化状態から休眠状態への状態遷移時における表示画面 力 継続して表示部 5に表示される。 即ち、 休眠状態における表示データは、 静 止画像データとなり、 経時的に変化することはない。 尚、 T 3の状態遷移は、 入 力部 3からの実行状態の切替え指示に基づいて、 制御部 2が実行するものとして もよい。
T 3の状態遷移後に常駐型アプリケーションが停止する処理は、 以下に示す通
りである。 即ち、 ティッカ一のスクロール部分の表示 (ティッカ一自体の表示は 継続)、 メディアリソースの再生、 タイマの動作、及びバイブレータの動作は停止 される。 また、 H T T P通信は切断される。 スクラッチパッドにデータを書込み 中の時には書込みが終了した後に休眠状態に遷移する。 スクラッチパッドからデ ータを読出し中の時にはそのまま休眠状態に遷移する。 バックライ トの点灯及び 消灯は、 非活性化状態と同様とする。 即ち、 非活性化状態でバックライ トが点灯 していた場合には点灯を継続させ、 非活性化状態でバックライ トが消灯していた 場合には消灯を継続させる。
休眠状態から非活性化状態への状態遷移(T 4 )は、所定の条件の成就に伴い、 制御部 2が実行する。 所定の条件とは、 例えば、 携帯電話 1が折畳み型又はフリ ップ型の携帯電話である場合には、 筐体送話部を開く動作である。 或いは、 活性 化状態において設定された休眠時間 (例えば 5分間) の経過やタイマによる設定 時刻 (例えば 1 7時) の到達等である。 制御部 2は、 休眠状態への遷移時におい て既に実行された常駐型アプリケーションのプログラムコードを R AM 4に保持 している。 従って、 休眠状態から非活性化状態への状態遷移時に、 先頭のプログ ラムコードから再び読み出す処理が不要となる。 その結果、 一旦終了した常駐型 アプリケーシヨンを再起動する場合に比べて、 常駐型アプリケーションの復帰時 間が短縮される。 尚、 T 4の状態遷移は、 常駐型アプリケーションに含まれる関 数に従って、制御部 2が実行するものとしてもよい。或いは、 T 4の状態遷移は、 入力部 3からの実行状態の切替え指示に基づいて、 制御部 2が実行するものとし てもよい。
T 4の状態遷移後における常駐型アプリケーションの詳細な振舞いは、 以下に 示す通りである。 即ち、 ティッカ一の表示中には、 実行状態の遷移時に停止した 表示状態からスクロールを再開させる。 H T T P通信中には、通信を再開させる。 尚、通信切断時に例外処理が発生した場合には、例外処理から実行を再開させる。 スクラッチパッドは、データの読出しと書込みができる状態に復帰させる。また、
休眠状態で停止していたバイブレータの動作は、 自動的に再開させない。 メディ ァリソースの再生、 及びタイマの動作は、 再開させない。 バックライ トの点灯及 び消灯は、 休眠状態と同様とする。 即ち、 休眠状態でバックライ トが点灯してい た場合には点灯を継続させ、 休眠状態でバックライ トが消灯していた場合には消 灯を継続させる。
休眠状態から活性化状態への状態遷移 (T 5 ) は、 入力部 3からの実行状態の 切替え指示に基づいて、 制御部 2が実行する。 制御部 2は、 休眠状態への遷移時 において既に実行された常駐型アプリケーシヨンのプログラムコードを R AM 4 に保持している。 従って、 休眠状態から活性化状態への状態遷移時に、 先頭のプ ログラムコードから再び読み出す処理が不要となる。 その結果、 一旦終了した常 駐型アプリケーションを再起動する場合に比べて、 常駐型アプリケーションの復 帰時間が短縮される。 尚、 T 5の状態遷移は、 常駐型アプリケーションに含まれ る関数に従って、 制御部 2が実行するものとしてもよレ、。
T 5の状態遷移後における常駐型アプリケーションの詳細な振舞いは、 以下に 示す通りである。 即ち、 ティッカ一の表示中には、 実行状態の遷移時に停止した 表示状態からスクロールを再開させる。 H T T P通信中には、通信を再開させる。 尚、通信切断時に例外処理が発生した場合には、例外処理から実行を再開させる。 スクラッチパッドは、データの読出しと書込みができる状態に復帰させる。また、 休眠状態で停止していたバイブレータの動作は、 自動的に再開させない。 メディ ァリソースの再生、 及びタイマの動作は、 再開させない。 バックライ トの点灯及 び消灯は、 休眠状態と同様とする。 即ち、 休眠状態でバックライ トが点灯してい た場合には点灯を継続させ、 休眠状態でバックライトが消灯していた場合には消 灯を継続させる。
尚、 常駐型アプリケーションが、 活性化状態から休眠状態への状態遷移を実行 しないのは、 以下の理由による。 即ち、 常駐型アプリケーションが実行状態の遷 移を行うと、 常駐型アプリケーションを常に休眠状態にしてしまうアプリケーシ
ヨン (悪戯アプリケーション) が作成された場合に、 ユーザが実行状態を制御で きなくなる。 そこで、 活性化状態から休眠状態への状態遷移を禁止したものであ る。
但し、 常駐型アプリケーションに予め含まれる関数に従った状態遷移は、 常駐 型アプリケーションが本来予定しているものであり、 上述の様な不都合はない。 従って、 この様な状態遷移は、 入力部 3からの指示の有無を問わず、 例外的に実 行されるものとしてもよい。 これにより、 入力部 3からの指示に基づいて実行状 態を遷移させれば、ユーザの所望に応じた木目細やかな節電が可能となる。また、 常駐型アプリケーションに含まれる関数に従って実行状態を遷移させれば、 入力 部 3からの指示が無くても、 携帯電話 1の消費電力が長時間浪費されることを防 止できる。
また、 T 6〜T 8に示す様に、 非活性状態、 活性状態、 休眠状態の何れの実行 状態においても、 入力部 3からの終了指示に従って、 制御部 2は、 常駐型アプリ ケ一シヨンを終了する (S 5 )。
尚、 常駐型アプリケーションは、 ユーザの操作により、 強制終了することもで きる。 強制終了の際には、 制御部 2は、 確認画面を表示部 5に表示させる。 この 確認画面では、 ユーザは、 以下に示す 3種類の指示の中から所望の指示を選択す ることができる。 即ち、 ①常駐型アプリケーションを終了して待受起動の設定を 解除する指示、 ②強制終了をキャンセルして常駐型アプリケーションの実行を継 続する指示、 ③常駐型アプリケーションをー且終了して再起動する指示、 の中か ら所望の指示を選択することができる。
図 3 Αは、 活性化状態におけるキー入力前の表示画面の一例を示す図である。 図 3 Aに示す様に、 表示部 5には、 株価の変動を示す表示データ 5 1が表示され ている。 表示データ 5 1は、 一定間隔 (例えば 1 0秒間隔) で自動的に更新され る動画像データである。 表示データ 5 1は、 指定銘柄入力領域 5 1 aを画面下方 に有する。 指定銘柄入力領域 5 1 aは、 ユーザが株価の変動の閲覧を希望する銘
柄を特定する為の番号(以下、 「指定銘柄番号」 と記す。)を入力する領域である。 表示データ 5 1が表示されている時に、 ユーザが、 指定銘柄番号として、 例え ば、 "12345678"なる数値データを指定銘柄入力領域 5 1 aに入力すると、 図 3 B の表示データ 5 2に示す表示状態となる。 即ち、 活性化状態では、 通常のキー入 力が可能であるので、 制御部 2は、 入力部 3からのキーイベントの受信に伴い、 表示部 5の所定領域に入力データを表示させる処理を実行する。
図 4 Aは、非活¾£化状態におけるキー入力前の表示画面の一例を示す図である。 図 4 Aに示す様に、 表示部 5には、 株価の変動を示す表示データ 5 3が表示され ている。 表示データ 5 3は、 一定間隔 (例えば 1 0秒間隔) で自動的に更新され る動画像データである。 表示データ 5 3は、 指定銘柄入力領域 5 3 aを画面下方 に有する。 非活性化状態では、 制御部 2は、 常駐型アプリケーションの表示のみ 行い、 キーイベントを受信しない。 従って、 指定銘柄入力領域 5 3 aに指定銘柄 番号が入力されることはない。
表示データ 5 3が表示されている時に、 ユーザが、 電話を発信する機能を呼び 出すキー操作を行うと、 図 4 Bに示す表示データ 5 4が表示部 5に表示される。 即ち、非活性化状態では、常駐型アブリケーシヨンに対するキー入力は拒否され、 ネイティブアプリケーションに対するキー入力が許可される。 従って、 制御部 2 は、 入力部 3からのキーイベントの受信に伴い、 電話発信画面の表示データを記 憶部 6から読み出して表示させる処理を実行する。 その結果、 表示部 5には、 図 4 Bに示す電話発信画面が表示される。
図 5 Aは、 休眠状態に遷移する直前の表示画面の一例を示す図である。 図 5 A に示す様に、表示部 5には、株価の変動を示す表示データ 5 5が表示されている。 休眠状態に遷移する前の実行状態 (即ち、 非活性化状態又は活性化状態) では、 表示データ 5 5は、 一定間隔 (例えば 1 0秒間隔) で自動的に更新される。
表示データ 5 5が表示されている時に関数が実行されて、 常駐型アプリケーシ ヨンが休眠状態に遷移しても、 遷移直前の表示データ 5 5が、 遷移後も継続して
表示される。図 5 Bは、休眠状態に遷移した後の表示画面の一例を示す図である。 休眠状態では、 制御部 2は、 休眠状態への遷移時における表示データ 5 5と同一 の表示データ 5 6を表示部 5に継続して表示させる。 即ち、 制御部 2は、 入力部 3からのキーイベントの受信は元より、 表示データの更新処理も行わない。 従つ て、 休眠状態における携帯電話 1の消費電力は、 非活性化状態よりも低い。 以上説明した様に、 本実施形態における携帯電話 1によれば、 制御部 2は、 表 示データを更新可能に表示する通常実行状態と、 常駐型アプリケーションを一時 的に停止する休眠状態とが切替え制御される。 休眠状態にあるアプリケーション プログラムは終了していないので、 再起動する手間と時間を要せずに、 通常実行 状態に復帰できる。 また、 休眠状態では、 通常実行状態よりも携帯電話 1の消費 電力が低い。 従って、 携帯電話 1の利便性を維持しつつ消費電力を低減できる。 また、 O Sを介した制御とは異なり、 常駐型アプリケーションの実行状態は、 当該常駐型アプリケーション自体に含まれる関数に従って制御される。 従って、 常駐型アプリケーションが、 その実行状態とは無関係に停止或いは終了すること がない。 更に、 O Sにより省電力状態に遷移した場合と異なり、 常駐型アプリケ ーシヨンが単独で休眠状態から復帰することができる。
尚、本実施形態に記載の態様は、本発明に係る携帯電話 1の好適な一例であり、 この態様に限定されるものではない。
例えば、 上記実施形態を以下の様にしてもよい。 即ち、 常駐型アプリケーショ ンに含まれる関数の内、一部の関数に関して、活性化状態では読み出しを許可し、 非活性化状態では読み出しを不許可又は読み出しても実行を禁止する。 以下、 こ の様な関数を 「特定関数」 と記す。
これにより、 例えば、 バックライ トの使用を指示する関数を特定関数とした場 合に以下の様な利点がある。即ち、活性化状態では、常駐型アプリケーシヨンは、 キー入力が可能であるので、 バックライ トを使用して表示画面を明るくすればュ 一ザの入力操作が容易になる。 ところが、 非活性化状態では、 常駐型アプリケー
ションに対するキー入力が拒否されるので、表示画面を明るくする必要性は低レ、。 この様な場合にまで、 バックライ トの使用を指示する関数の読み出しを許可する と、 誤作動や悪戯により、 ユーザの意図に反してバックライ トが点灯する可能性 がある。 そこで、 非活性化状態では、 バックライ トの使用を指示する関数の読み 出しを予め禁止しておくことで、 消費電力の浪費を未然に防止できる。
尚、 特定関数としては、 バックライ トの使用を指示する関数以外にも、 ユーザ に文字入力を促す関数、 データの外部送信を指示する関数、 着信メロディを放音 する関数、 ブラウザの起動を指示する関数、 ネットワークにアクセスする為の関 数、 電話機能を呼び出す関数 を設定してもよい。
また、上記実施形態では、移動通信端末として携帯電話を例示して説明したが、
P H S (Personal Handyphone System) Λ P D A (Personal Digital Assistance) 等の情報機器にも本発明を適用可能である。
最後に、 本発明に係るアプリケーションプログラム 6 1が記録され、 コンビュ ータによる読取りが可能な記録媒体 (以下、 単に 「記録媒体」 と記す。) について 説明する。 ここで、 記録媒体とは、 汎用コンピュータ等のハードウェア資源に備 えられている読み取り装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、 電気等のエネルギーの変化状態を引き起こし、 それに対応する信号の形式で、 読 み取り装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。 この様な記録媒体 としては、 例えば、 磁気ディスク、 光ディスク、 光磁気ディスクの様にコンビュ ータに着脱可能に装着されるものの他、 コンピュータに固定的に内蔵される H D (Hard Di sk)や一体に固着されたファームウェア等の不揮発性半導体メモリなど が該当する。
図 6は、 本発明の実施形態に係る記録媒体の構成図である。 記録媒体 2 0は、 例えば C D (Compact Disk) 等の光ディスク、 F D (Floppy Di sk) 等の磁気ディ スク、 M O (Magneto Optical disk) 等の光磁気ディスクである。 記録媒体 2 0 は、 プログラムを記録するプログラム格納領域 2 0 aを備えている。 このプログ
ラム格納領域 2 0 aには、 図 6に示す様に、 アプリケーションプログラム 6 1が 記録されている。
アプリケーションプログラム 6 1は、 図 6に示す様に、 処理を統括するメイン モジュール 6 1 aと、 実行中のキー入力を拒否する非活性化状態と、 一時停止状 態である休眠状態とを切り替える処理を行う実行状態制御モジュール 6 1 bとを 含んで構成される。 また、 実行状態制御モジュール 6 1 bは、 非活性化状態と休 眠状態との間における状態遷移の指示に伴って、 非活性化状態と休眠状態との間 で実行状態を切り替える処理を行う。 更に、 実行状態制御モジュール 6 1 bは、 関数に従って、 非活性化状態と休眠状態との間で実行状態を切り替える処理を行 う。
図 7は、 記録媒体 2 0に記録されたアプリケーションプログラム 6 1を携帯電 話 1に送信する為のコンピュータ (例えば、 サーバ装置) の構成を示すブロック 図である。 コンピュータ 1 0 0は、 図 7に示す様に、 C P U 1 0 1と、 読取装置 1 0 2と、 O S (Operating System) を常駐させた揮発性半導体メモリである R AM (Random Access Memory) 1 0 3と、 ディスプレイ等の表示部 1 0 4と、 マ ウスやキーボード等の入力部 1 0 5と、 通信カード等の通信部 1 0 6とを備えて いる。 ここで、 記録媒体 2 0が読取装置 1 0 2に挿入されると、 記録媒体 2ひに 記録された情報が読取装置 1 0 2からアクセス可能となる。 そして、 記録媒体 2 0のプログラム格納領域 2 0 aに記録されたアプリケーションプログラム 6 1は、 通信部 1 0 6から携帯電話 1に送信され、 携帯電話 1によって実行可能となる。 また、 アプリケーションプログラム 6 1は、 その一部若しくは全部を他の機器 から通信回線等の伝送媒体を介して無線通信部 7により受信し、 記録する構成に してもよい。 反対に、 アプリケーションプログラム 6 1を、 伝送媒体を介して伝 送し、 他の機器にインス トールする構成としてもよい。 産業上の利用可能性
本発明によれば、 実行中のアプリケーションプログラムに対するキー入力を拒 否する非活性化状態と、 前記アプリケーションプログラムを一時的に停止する休 眠状態とが切替え制御される。 休眠状態にあるアプリケーションプログラムは終 了していないので、 再起動する手間と時間を要せずに、 表示データの更新可能な 非活性化状態に復帰できる。 また、 休眠状態では、 非活性化状態よりも移動通信 端末の消費電力が低い。 従って、 移動通信端末の利便性を維持しつつ消費電力を 低減できる。