WO1999013955A1 - Jouet pour jeune enfant permettant de dessiner des images en couleur - Google Patents

Description

明 細 書 幼児用カラーお絵描き玩具 技術分野

本発明は、 幼児用カラーお絵描き玩具に関し、 特に、 色彩識別が出来始めた幼 児や、 色彩に興味を持ち始めた幼児に適した知育玩具として好適なカラーお絵描 き玩具に関するものである。

背景技術

従来から、 2枚の基板 （パネル） 間を多セル構造に形成し、 これらのセル内に マグネタイ トゃフヱライ ト等からなる磁性粒子と、 分散媒と、 背景を構成する着 色剤と、 所望により増稠剤とからなる分散流体を封入した磁気泳動表示パネルを 使用した幼児用お絵描き玩具が知られている。

この幼児用お絵描き玩具は、 磁気泳動表示パネルの表側の基板面を磁気ペンで なぞると、 磁気ペンの磁気力により吸引された磁性粒子が、 裏側の基板の内面か ら泳動して表側基板の裏面まで達し、 分散流体と磁性粒子とのコン トラス トの差 で黒白表示が形成されるようにしたものである。

図 5 A及び 5 Bに、 幼児用お絵描き玩具に従来から用いられている磁気泳動表 示パネル 1 0の一部分を示す。 図に示すように、 この磁気泳動表示パネル 1 0は、 対向する 2つの非磁性のパネル 1 2 a、 1 2 bを有しており、 パネル 1 2 aは目 視側でパネル 1 2 bは非目視側である。 これらパネル 1 2 a、 1 2 bの間には多 数の隔壁 1 4が設けられており、 これら隔壁 1 4とパネル 1 2 a、 1 2 bとによ り多数のハニカム型のセル 1 6が形成されている。 通常、 目視側のパネル 1 2 a の厚さは 0 . 2〜0 . 3 mm、 隔壁 1 4の高さは 0 . 5〜 1 . 5 mm、 非目視側 のパネル 1 2 bの厚さは 0 . 1 mm、 セル 1 6の最大幅は 4 mm程度である。 このセル 1 6の内部には、 磁性粒子 1 8と、 分散媒と、 背景部分を構成する着 色剤と、 所望により増稠剤とからなる分散流体 2 0が封入されており、 目視側の パネル 1 2 aの表面を磁気ペン 2 2でなぞると、 磁性粒子 1 8が吸引されて泳動 し目視側のパネル 1 2 aの裏面まで到達し、 背景を構成する着色剤と磁性粒子と の色ないしはコントラス 卜の差で目視側のパネル 1 2 aの面に、 磁気ペン 2 2で なぞった文字等が表示される。 一般に、 磁性粒子 1 8は地色が黒色または暗褐色 なので、 背景を構成する着色剤を白色にして黒白表示を行うようにしている。 次に、 一旦表示した文字等を消去するには、 非目視側のパネル 1 2 bの背面に 配置している消去用の永久磁石 2 4をパネル 1 2 bの面に沿ってスライ ドさせる _c すると、 目視側のパネル 1 2 aの裏面に引き付けられていた磁性粒子 1 8は、 今 度は非目視側のパネル 1 2 bの内面まで泳動していき、 目視側のパネル 1 2 a側 から見ると、 分散流体 2 0の色のみが見え、 文字等の表示が消去されたことにな る。 なお、 目視側のパネル 1 2 aは、 表示のないときに、 目視側から磁性粒子 1 8の色が透けて見えないように不透明な例えば白色等の光拡散板が使用されてい る。

しかしながら、 上記のような黒白表示のものによって、 幼児に文字や数字等を 覚えさせようとすると、 飽きやすい幼児は別の遊びに興味が移ってしまい非常に 能率が悪く、 幼児を引き付ける魅力に欠ける。 なお、 マグネタイ トやフェライ ト 等からなる上記磁性粒子は地色が黒色から暗褐色であるため、 黒白表示を得るに は適しているが、 着色しても着色剤の色が損なわれ、 カラ一表示には好適なもの とはいえない。 また、 一般に、 これらの磁性粒子として、 球状のものを用いてい るので、 着色性が十分とはいえず、 また着色剤が剥がれやすく、 さらに磁力に対 する応答性も必ずしも十分ではない。

従って、 本発明は、 多色表示が行え、 知育玩具として好適な幼児用カラーお絵 描き玩具の提供することをその目的としている。 発明の開示

本発明の幼児用カラーお絵描き玩具は、 2枚の基板間を多数のセルを含む多セ ル構造に形成し、 これら多数のセルを予め所望の複数の領域に分け、 この分けた 領域毎に同色に着色された磁性粒子と、 分散媒と、 背景部分を構成する着色剤と, 所望により増稠剤とからなる分散流体を、 隣り合う前記領域で異なる色となるよ うに封入し、 一方の基板の表面を磁気手段で異なる領域にわたって接触させると- 領域毎に異なる色の磁性粒子が前記一方の基板側に吸引され、 接触した跡が多色 で表示されるように構成したことを特徴としている。

このように構成すると、 磁気ペン等の磁気手段を予め分けられた所望の領域間 にわたつて接触させると、 領域毎に異なる色に着色された磁性粒子が吸引される ので、 例え 1本の線を引いただけでも、 その線は複数の色に分割されて表示され、 カラフルな表示となる。 このように、 文字、 数字、 絵、 記号等が色鮮やかに多色 表示されるので、 幼児を進んで勉強に励ませることができるとともに、 その領域 は、 通常、 見ることができないため、 その結果は幼児にとって意外なものとなる ので飽きさせないことになる。

また、 特に、 多色の表示が容易なため、 色彩識別が出来始めた幼児や、 色彩に 興味を持ち始めた幼児に適した知育玩具であり、 その色彩感覚や美的才能を育て ることできる。

本発明の好適な実施態様によれば、 領域は、 多数の異なる形状を備えている。 他の好適な実施態様によれば、 磁性粒子は、 ステンレス鋼で形成されている。 また、 磁性粒子は、 異形であるように形成するのが好ましい。 幼児用カラーお絵 描き玩具に用いた磁性粒子がステンレス鋼であると、 地色が薄いためカラ一塗料 本来の色を視認させることができ、 カラ一表示が色鮮やかとなる。 また、 磁性粒 子が異形であると、 磁気ペン等の磁気手段に対する応答性が向上すると共に、 力 ラー塗料の着色性がよく、 かつ使用に基づく塗料の剥離が少ないので、 経時劣化 が少ないというメリツ 卜がある。

さらに他の好適な実施態様によれば、 多セル構造は、 ハニカム型である。 ある いは、 多セル構造は、 多数のマイクロカプセルをセルとして含んでなるように構 成してもよい。

別の好適な実施態様によれば、 領域は、 一方の基板の表面よりほぼ同一の磁気 作用を受ける位置に配置されている。

また、 別の好適な実施態様によれば、 幼児用カラーお絵描き玩具は、 さらに、 他方の基板の背後に配置され、 かつ移動自在に構成された磁石部材と、 先端部に 磁気片を有する磁気部材とを備えている。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明に係る幼児用カラーお絵描き玩具の第 1の実施例を示す平面図 である。

図 2は、 図 1のお絵描き玩具に用いるカラ一着色された異形の磁性粒子を示す 断面図である。

図 3は、 磁気ペンで、 磁気泳動表示パネルに 1本の線を描いた状態を示す平面 図である。

図 4は、 磁気ペンで書いたアルファベッ トの" A" と磁気スタンプでスタンプ することにより描いた U F Oの絵を表示する図である。

図 5 Aは、 従来から使用されており、 かつ本発明における第 1の実施例に用い る磁気泳動表示パネルの一部を示す断面図であり、 図 5 Bは、 磁気泳動表示パネ ルの多セル構造を示す平面図である。

図 6は、 本発明の第 2の実施例に用いる磁気泳動表示パネルの一部を示す断面 図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明の実施の形態について、 図面を参照して説明する。 なお、 背景技 術の項で説明した部材と同一または同等のものには同一符号を付して説明する。 本発明の第 1の実施例に係る幼児用カラーお絵描き玩具を図 1ないし図 5 Bを 参照して説明する。 この幼児用カラーお絵描き玩具 1は、 略四角形のプラスチッ ク材からなる枠体 2を有しており、 該枠体の 2の中央部に、 磁気泳動表示パネル 1 0が嵌め込まれている。 また、 枠体 2の下側には、 水平方向にスリツ ト 3が設 けられており、 該スリツ ト 3を利用して摺動自在に構成された棒状の永久磁石 2 4が配置されている。 永久磁石 2 4を摺動させるための把手 2 4 aは枠体 2の表 側に配置されており、 棒状 （物差し状） の永久磁石 2 4は把手 2 4 aと繋がった 状態で磁気泳動表示パネル 1 0の背面に近接していて、 把手 2 4 aを左右に摺動 させると、 永久磁石 2 4が磁気泳動表示パネル 1 0の背面を摺動する。

磁気泳動表示パネル 1 0の形状は、 従来のものと変わらないので、 図 5を参照 して説明する。 図に示すように、 この磁気泳動表示パネル 1 0も、 対向する 2つ の非磁性の基板すなわちパネル 1 2 a、 1 2 bを有しており、 パネル 1 2 aは目 視側でパネル 12 bは非目視側である。 これらパネル 1 2 a、 1 2 bの間には多 数の隔壁 14が設けられており、 これら隔壁 14とパネル 12 a、 1 2 bとによ り多数のセル 1 6がハニカム型に形成されている。 これらのセル 1 6は、 予め所 望の領域に分けて、 さらに領域毎に異なる色に着色された磁性粒子を含む分散流 体が封入されるのであるが、 その点については後述する。 なお、 異なる色とは、 濃淡に差がある同色を含み、 かつ黒色をも含む概念である。

セル 1 6の内部には、 磁性粒子 1 8と、 分散媒と、 背景部分を構成する着色剤 と、 所望により増稠剤とからなる分散流体 20が封入されており、 目視側のパネ ル 1 2 aの表面を先端部に磁気片を有する磁気ペン 22でなぞると、 磁性粒子 1 8が吸引されて泳動し目視側のパネル 1 2 a裏面まで到達し、 背景を表示する着 色剤と磁性粒子 1 8との色の差で目視側のパネル 1 2 aの面に、 磁気ペン 22で なぞった文字等が表示される。 なお、 表示された文字等が部分的にかすれたり不 鮮明にならないように、 各領域を形成するセル 1 6は、 目視側のパネル 1 2 aの 表面よりほぼ同一の磁気作用を受ける位置に配置するのが好ましい。

次に、 一旦表示した文字等を消去するには、 非目視側のパネル 1 2 bの背面に 配置している消去用磁石 24をパネル 1 2 bの面に沿ってスライ ドさせる。 する と、 目視側のパネル 1 2 aの裏面に引き付けられていた磁性粒子 1 8は、 今度は 非目視側のパネル 1 2 bの内面まで泳動していき、 目視側のパネル 12 a側から 見ると、 分散流体 20の色のみが見え、 文字等の表示が消去されたことになる。 続いて、 ここで用いられている磁性粒子 1 8について説明する。 磁性粒子 1 8 は、 ステンレス鋼粒子であり、 その成分は次のとおりである。

カーボン C · 0. 03%以下、

シリ コン S i I . 5%以下、

マンガン M n 0. 3%以下、

リン P . . · 0. 04%以下

硫黄 S . · . 0. 03%以下、

ニッケル N i 0. 6%以下

クロム C r · I I . 5〜 13. 5 % 鉄 F e 残

磁性粒子 1 8の形状は、 図 2に断面図で示すように、 異形である。 ここで、 異 形とは、 粒子の形状が、 例えば球状とか略直方体等のような特定の形状に統一さ れておらず、 それぞれの粒子が異なる形状であるものをいう。 また、 表面が複雑 な凹凸面で形成されていることが好ましい。

また、 粒子の寸法は、 長径側で計測して、 3 0〜 1 0 0 mの範囲に分布して おり、 平均粒度は 7 0〜7 5 rnとなっている。

磁性粒子 1 8は、 上述の成分からなるステンレス鋼によって形成されるている が、 粒子を異形にするため、 水アトマイズ法によって製造されている。 なお、 水 アトマイズ法とは、 溶融した鋼に高圧水を噴射して粉末化する方法である。 この 方法で製造された粒子の寸法分布の範囲が広いので、 上記のような範囲を定める のに、 篩にかけて他の部分を除いている。

次に、 この磁性粒子 1 8のカラ一着色について説明する。 先ず、 磁性粒子を 4 つに分けてそれぞれ異なる色に着色する。

塗料としては、 アクリル系の樹脂塗料を用いる。 ポリウレタン系、 エポキシ系、 塩化ビニール系でもよいがァクリル系のほうが剥離しにくい点で優れており、 光 沢がよく、 耐水耐油性もよい。

次に、 塗料に混入させる顔料について説明する。 顔料は、 青色、 黄色、 緑色、 赤色の 4色について実施した。

青色顔料： メラミ ン · トルエンスルホンアミ ド樹脂の微粒子に蛍光染料で着色 したもの、 耐溶剤性がよく、 色は鮮明である。

黄色顔料： クロムイェロー （P b C r〇₄) 、 クロム酸鉛を主体とした無機顔 料、 着色力、 隠蔽力が大きい。

緑色顔料：酸化クロム （C r ₂〇₃) 、 無機顔料で化学薬品に対して安定性大 である。

赤色顔料： ァゾ系有機顔料。

なお、 溶剤としてはアセ トン、 トルオールを使用した。

磁性粒子 1 8への着色は、 スプレードライヤ一工法により行い、 乾燥温度は 1 3 0 ± 2 °C、 乾燥時間は 3秒間である。 なお、 前処理は行っていない。 これにより、 図 2に示すように、 磁性粒子 1 8の表面に厚さ 2 0〜3 0 の 着色被膜 1 8 aを形成した。

なお、 上記顔料に換えて、 群青、 ァニリンブルー、 オイルレッ ド、 キノリンィ エロー、 メチレンブルーク口リ ド、 フタロシアニンブル一、 フタロシアニングリ —ン等の顔料や染料を用いることもできる。

上記のようにして製造された磁性粒子 1 8は、 材質がステンレス鋼であるので、 飽和磁化がフヱライ ト等に比べ 1 0 %程度低くなるが、 この点は磁気ペンの磁力 を 2 0 %程度高めることで対応することができる。 ステンレス鋼なので、 地色が 薄く、 白銀色の隠蔽膜等で覆わなくても、 着色剤色を本来の色を損なわずに表示 させることができる。 また、 磁性粒子 1 8は異形であるため、 球形に比べて対磁 感度がよく、 かつ塗料の付着性もよく、 また鑌びにくいので、 使用に基づく塗料 の剥離が少なく、 経時劣化が少ないという利点がある。

また、 磁性粒子 1 8を上記のように着色することで、 対熱特性が向上し、 従来 のものでは、 一 2 0 °Cになると磁性粒子が団子状に固まってしまうのに対し、 本 実施例における磁性粒子 1 8の場合にはそのような現象は見られない。

次に、 上記のようにして製造された青色、 赤色、 緑色、 黄色に着色された磁性 粒子 1 8のセルへの封入方法であるが、 先ず、 パネル 1 2 a、 1 2 b間に形成さ れた多数のセル 1 6を、 図 1に示すように、 予め所望の領域 4 ( 4 a、 4 b、 4 c、 4 d · · · ) に分けて、 この分けた領域毎にそれぞれ青色、 赤色、 緑色、 黄 色の異なる色の磁性粒子 1 8を隣り合う領域で異なった色となるように封入する。 例えば、 領域 4 aには赤色に着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を封 入し、 領域 4 bには青色に着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を封入し、 領域 4 cには緑色に着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を封入し、 さら に領域 4 dには黄色に着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を封入すると いう具合に、 予め定めた所望の形状の各領域 4に、 1色の磁性粒子 1 8のみが混 入された分散流体 2 0を封入する。 なお、 各領域 4を構成するセル 1 6の数は 1〜2 0 0程度の範囲で適宜定め、 領域 4の形状はそれぞれが異なるほうが好ま しい。

このように、 パネル 1 2 a、 1 2 b間に形成した多数のセル 1 6を、 予め所望 の領域 4 ( 4 a、 4 b、 4 c、 4 d - · · ) に分けて、 この分けた領域毎にそれ それ青色、 赤色、 緑色、 黄色と異なる色の磁性粒子 1 8を封入したので、 目視側 のパネル 1 2 aの表面に、 ペン先の磁石部分の径が 1〜 1 . 3 mmの通常の磁性 ペン 2 2で 1本の直線を描くと幅 2 mm程度の線が描けるが、 これだけでその軌 跡に沿って領域が変わる毎に青色、 赤色、 緑色、 黄色と異なる色に着色された磁 性粒子 1 8が引き寄せられて、 図 3に示すように、 1本の線を引いただけでも、 その線は青色部分 B、 赤色部分 R、 黄色部分 Y及び緑色部分 Gの複数の部分に分 割されたカラフルな表示となる。

当然、 文字や絵についても同様で、 図 4には磁性ペン 2 2でアルファベッ トの " A" と磁性スタンプによる接触で U F Oの絵を表示した状態が示されている。 図中、 符号 R、 G、 B及び Yは赤色部分、 緑色部分、 青色部分及び黄色部分をそ れぞれ示す。 上述のように、 この幼児用カラーお絵描き玩具は、 文字、 数字、 絵、 記号等が色鮮やかに多色表示されるので、 幼児を進んで勉強に励ませることがで きるとともに、 その領域は、 通常、 磁気部材を接触させる前には見ることができ ないため、 その結果は幼児にとって意外なものとなるので飽きさせないことにな る。 すなわち、 知育玩具として活用することができる。 また、 多色の表示が容易 なため、 色彩識別が出来始めた幼児や、 色彩に興味を持ち始めた幼児に適した知 育玩具であり、 その色彩感覚や美的才能を育てることできる。

なお、 上記の実施例では、 カラーとして、 青色、 赤色、 緑色、 黄色を用いたが、 黒色やその他の色を用いることも当然可能であり、 また濃淡差のあるもの、 例え ば黒色と灰色、 真紅と桃色等は異色として用いる。

次に、 本発明の第 2の実施例について、 図 6を参照して説明する。 なお、 第 1 の実施例で説明した部材と同一または同等のものは同一符号を付す。

第 2の実施例に係る幼児用カラーお絵描き玩具 1に用いる磁気泳動表示パネル 3 0は、 図 6に示すように、 対向する 2つの非磁性のパネル 1 2 a、 1 2 bを有 しており、 パネル 1 2 aは目視側でパネル 1 2 bは非目視側である。 これらパネ ル 1 2 a、 1 2 bの間には球状のマイクロカプセル 2 6が多数収納されており、 このマイクロカプセル 2 6によって多数のセル 1 6が形成されている。

マイクロカプセル 2 6は、 着色された磁性粒子 1 8と、 分散媒と、 背景部分を 構成する着色剤と、 所望により増稠剤とからなる分散流体 2 0と、 この分散流体 2 0を覆うポリマ一等の殻物質で構成されている。 この殻物質として用いられて いる樹脂には、 一般にアクリル系樹脂、 メタクリル系樹脂、 ポリスチレン樹脂、 ポリエステル樹脂、 ポリウレタン樹脂、 ポリアミ ド樹脂、 エポキシ樹脂等があり、 内部が見えるように透明なもので、 単独あるいは混合して使用される。

マイクロカプセル 2 6の製造方法は、 ポリマ一溶液に分散させた芯物質となる 分散流体 2 0の周りに、 ポリマーの濃厚層を分離させる相分離法、 ポリマ一溶液 中の芯物質の周りにポリマーの硬化試験薬等によりポリマーを硬化させる液中硬 化被覆法、 芯物質を分散させたェマルジョンの内相あるいは外相のいずれか一方 からモノマ一や重合触媒を供給し、 芯物質の表面をポリマーで覆うインシチュー 重合法等がある。 特に、 相分離法、 インシチュー重合法によれば、 粒径が揃い、 磁性粒子 1 8の移動が容易なマイクロカプセル 2 6を製造することができる。 次に、 上記のようにしてパネル 1 2 a、 1 2 b間に形成された多セル構造とし てのマイクロカプセル 2 6の集合は、 予め所望の領域 5 ( 5 a、 5 b、 5 c、 5 d · · · ) に分けて、 その中に第 1の実施例で説明したように青色、 赤色、 緑色、 黄色にそれぞれ着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を領域毎に異なる色 の磁性粒子 1 8のみが含まれるように封入する。

例えば、 領域 5 aには赤色に着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を封 入し、 領域 5 bには青色に着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を封入し、 領域 5 cには緑色に着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を封入し、 さら に領域 5 dには黄色に着色された磁性粒子 1 8を含む分散流体 2 0を封入すると いう具合に、 予め定めた所望の形状の領域 5に、 1色の磁性粒子 1 8のみが混入 された分散流体を封入する。 領域 5の形状はそれぞれが異なるほうが好ましい。 このように、 パネル 1 2 a、 1 2 b間にマイクロカプセル 2 6によって形成し た多数のセル 1 6を、 予め所望の領域 5 ( 5 a、 5 b、 5 c、 5 d、 · · ·） に 分けて、 この分けた領域毎にそれぞれ青色、 赤色、 緑色、 黄色と異なる色の磁性 粒子 1 8を封入したので、 目視側パネル 1 2 aの表面に磁性ペン 2 2で絵や字等 を描くと、 その軌跡に沿って領域が変わる毎に異なる色に着色された磁性粒子 1 8が引き寄せられて、 カラフルな多色表示が行われる。 一旦表示した文字等を消去するには、 非目視側のパネル 1 2 bの背面に配置し ている消去用磁石 2 4をパネル 1 2 bの面に沿ってスライ ドさせる。 すると、 目 視側のパネル 1 2 a側のマイク口カプセル 2 6の裏面に引き付けられていた磁性 粒子 1 8は、 今度は非目視側のパネル 1 2 bの方向にマイクロカプセル 2 6内を 泳動し、 非目視側のパネル 1 2 b側のマイクロカプセル 2 6の裏面に到達し、 目 視側のパネル 1 2 a側から見ると、 分散流体 2 0の色のみが見え、 文字等の表示 が消去されたことになる。 産業上の利用可能性

以上説明したように、 本発明に係るカラーお絵描き玩具は、 色彩識別が出来始 めた幼児や色彩に興味を持ち始めた幼児に対する知育玩具に適している。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 2枚の基板間を多数のセルを含む多セル構造に形成し、 これら多数のセル を予め所望の複数の領域に分け、 この分けた領域毎に同色に着色された磁性粒子 と、 分散媒と、 背景部分を構成する着色剤と、 所望により増稠剤とからなる分散 流体を、 隣り合う前記領域で異なる色となるように封入し、 一方の基板の表面を 磁気手段で異なる領域にわたって接触させると、 領域毎に異なる色の磁性粒子が 前記一方の基板側に吸引され、 接触した跡が多色で表示されるように構成したこ とを特徴とする幼児用カラーお絵描き玩具。

2 . 前記領域は、 多数の異なる形状を備えていることを特徴とする請求項 1に 記載の幼児用カラ一お絵描き玩具。

3. 前記磁性粒子は、 ステンレス鋼で形成されたことを特徴とする請求項 1ま たは 2に記載の幼児用カラ一お絵描き玩具。

4. 前記磁性粒子は、 異形であることを特徴とする請求項 1ないし 3のいずれ か 1項に記載の幼児用カラーお絵描き玩具。

5 . 前記多セル構造は、 ハニカム型であることを特徴とする請求項 1ないし 4 のいずれか 1項に記載の幼児用カラーお絵描き玩具。

6. 前記多セル構造は、 多数のマイクロカプセルを前記セルとして含んでなる ことを特徴とする請求項 1ないし 4のいずれか 1項に記載の幼児用カラーお絵描 き玩具。

7. 前記領域は、 前記一方の基板の表面よりほぼ同一の磁気作用を受ける位置 に配置されていることを特徴とする請求項 1ないし 6のいずれか 1項に記載の幼 児用カラ一お絵描き玩具。

8. 他方の基板の背後に配置され、 かつ移動自在に構成された磁石部材と、 前 記磁気手段として用いる先端部に磁気片を有する磁気部材とを備えたことを特徴 とする請求項 1ないし 7のいずれか 1項に記載の幼児用カラ一お絵描き玩具。